2008年7月8日(火)「しんぶん赤旗」

憲法審査会 始動ねらう

改憲派、規程議決に執念


 改憲原案の審議権限を持つとされる衆参両院の憲法審査会を始動させるため、委員数や運営方法などを定めた審査会規程の議決に改憲派が執念を燃やしています。八月下旬召集予定の臨時国会の「早い時期」に照準を定めています。

いらだち

 「臨時国会では、なるべく早い時期に憲法審査会が設置され、国会で正式に憲法の議論が始まるように努力していきたい」。自民、民主、公明、国民新各党などの改憲派議員でつくる新憲法制定議員同盟(会長・中曽根康弘元首相)の二日の定例会で、同議員同盟幹事長を務める自民党の愛知和男衆院議員はこうあいさつしました。

 憲法審査会は、二〇〇七年に強行された改憲手続き法で、衆参両院に設置が決められました。しかし、二〇一〇年までの改憲発議を掲げた自民党が昨年の参院選で大敗し、安倍内閣が退陣。審査会規程の議決は参院選後に開かれた三回の国会で連続して見送りになり、憲法審査会は開かれないままになっています。愛知氏の発言には、改憲派のいらだちと執念が込められています。

 同議員同盟は、通常国会会期末の六月十二日にも定例会を開き、憲法審査会の早期始動を求める決議を採択しました。同様の決議は昨年十一月、今年五月一日に続き三度目。そのたびに衆参両院の議長、審査会規程を協議する議院運営委員会の委員長に申し入れています。自民党は「憲法審査会の早期開会を求める請願運動について」と題する要請書を都道府県連に送り、請願運動にも取り組んでいます。

戦略検討

 先の通常国会の終盤では、衆参両院議運委員長と自民、民主両党の筆頭理事が審査会規程の議決について意見交換。結論が出ない場合は、自民党が衆院だけでも審査会規程を議決する強硬策を示唆する場面がみられました。

 中曽根元首相は定例会のあいさつで「(審査会の始動は)時間の問題。やがて開かれる」と述べました。一方で、「野党が参加しないままに、与党だけで委員会構成を決めた場合、後の運営に大きな支障がくる不安が現実に存在する」(中山太郎自民党憲法審議会会長)との見方もあります。

 新憲法制定議員同盟は、国会閉会中もマスメディアの代表を呼んで定例会を継続。臨時国会へ向けて戦略を検討しています。(中祖寅一)



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