2008年7月8日(火)「しんぶん赤旗」

洞爺湖サミット開幕

食料高騰 解決迫る

拡大会合でアフリカ側


 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)が七日、開幕しました。初日は主要八カ国(G8)とアフリカ七カ国の首脳が拡大会合を開催し、「開発・アフリカ」をテーマに意見交換をしました。議論は、深刻な影響を広げている食料高騰問題に集中。アフリカ側からは、農業支援などを通じて先進国が責任を果たすよう求める声が相次ぎました。(サミット取材団)


 食料高騰の背景には、需要拡大に食料生産が追いつかない問題と同時に、原油や穀物市場への投機資金の流入問題が指摘されています。アフリカ側がG8に解決を求めたのも、この点でした。

 アフリカ側は、食料の需給ひっ迫状況を打開するため、農業生産性の向上が重要だと指摘。技術、種子、肥料などの支援を求めました。農業振興は、農業従事者の割合が高いアフリカ諸国にとって、貧困層の所得の伸びにも直接つながる重要課題です。G8側は、投資、水管理などの支援を引き続き行うと表明しました。

 また、燃料価格高騰を抑制するため、G8諸国にリーダーシップを求める要望が相次ぎました。石油取引で過大なもうけを得ているのは問題だとして、投機資金を問題視し、是正するための課税措置などを求める意見もあがりました。

 最近の世界銀行の報告でも、食料価格の高騰で、アフリカだけで最大三千万人が新たに貧困ライン以下の生活を強いられるといわれます。G8は二〇〇五年の英グレンイーグルズサミットで、アフリカ向け支援を一〇年までに倍増すると公約。しかし、現在のペースでは、目標額には四百億ドルも不足するとの推計もあります。同日の拡大会合では、アフリカ側から、サミットでのG8諸国の約束を後に検証する仕組みをつくるべきだとの声さえあがりました。

 また、大統領選挙をめぐって混乱が続くジンバブエについて、G8側から懸念が表明されました。

 同日の拡大会合に参加したアフリカ諸国は、アルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、タンザニア、南アフリカの七カ国です。



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