2008年7月6日(日)「しんぶん赤旗」

サミット議長国・日本

主導性発揮できるか


 サミット(主要国首脳会議)初出席で、議長役を務める福田康夫首相。地球温暖化、食料・原油高騰などの人類的な課題に加え、北朝鮮の核・拉致問題や核軍縮で主導性が求められています。

核軍縮

 この分野は、例年になく重要になっています。

 六月二十六日、北朝鮮が核計画を申告し、朝鮮半島の非核化への道のりは新たな段階に入りました。G8外相会合の議長総括では、申告を「歓迎」し、北朝鮮に対して「検証に完全に協力」するよう求めています。

 六カ国協議の再開は、サミット閉会直後の十日を軸に日程調整が進んでいます。これに向けてのG8のメッセージとして、政府は最終日の九日に発表される文書に、北朝鮮の「核」を盛り込む意向です。

 併せて、テロ対策に関する特別文書が準備されており、この中に北朝鮮の拉致問題を明記させたい考えです。

 核軍縮では、外相会合の議長総括で初めて、「全ての核兵器国」に「核削減」を求めました。同様の文言を、サミットの文書に盛り込むことが検討されています。実現すれば、これも初めてとなります。

 二〇〇〇年のNPT(核不拡散条約)再検討会議では、核兵器保有国による核兵器廃絶の「明確な約束」を確認しましたが、〇五年の会議では、合意に達しませんでした。

 サミットには、中国、インドも含めて主要核保有国が集まっています。二〇一〇年のNPT再検討会議に向け、唯一の被爆国・日本がイニシアチブを発揮することが求められています。

温暖化

 「(地球温暖化で)先進国は歴史的な責任がある。日本は二酸化炭素(CO2)削減の長期目標だけでなく、中期・短期の目標も促進してほしい」。潘基文国連事務総長は一日、都内の講演でこう注文しました。

 日本政府は今回のサミットを、地球温暖化対策をめぐる「ポスト京都」の枠組みを決める「国連の交渉を後押しする政治的意識を共有する場」(高村正彦外相)と位置付けています。

 しかし、政府は今なおCO2削減の中期目標を明確にしておらず、産業界に対しても削減目標を求めていません。

 CO2削減の数値目標をめぐって各国間の対立も予想され、「首脳が共通認識に至る道のりは遠い。今が正念場だ」(河野雅治外務審議官)との見方も出ています。

首脳会談

 首脳の出席人数では過去最大規模となるG8北海道洞爺湖サミットで、福田首相は連日、二国間首脳会談をこなします。六日にブッシュ米大統領、八日にロシアのメドベージェフ大統領、九日に中国の胡錦濤主席らと会談します。(竹下岳)

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