2008年7月5日(土)「しんぶん赤旗」

「占い」をどう考える?


 〈問い〉東京のデパートで占い師がずらっと並んでいるのをみて、驚きました。手相は昔からありますが、いまは星や血液型などありとあらゆることが占いになっているようですが、これらの占いブームをどう考えるべきなのでしょう。(東京・一読者)

 〈答え〉週刊誌などには必ずといっていいほど占い記事が載り、書店には占いをあつかった書籍が積まれ、テレビやインターネットからも電車内のスクリーンからも今日の運勢が流れています。私たちは占いの洪水の中に生活しているといっても過言ではない状態です。占いには、人生相談という側面もありますが、マスコミが商業本位につくりだしたブームに便乗した霊感商法も少なくありません。

 占いの歴史は古く、天変地異、飢餓、疫病、争乱などといった恐怖から逃れたい、という願望から生まれたという説明が一般的です。この願望は、一方では自然と社会の科学的探究を発展させ、多くの問題が科学的に解明されるようになっています。しかし、未解明の問題も少なくなく、こうした分野で、占いがもてはやされるということがあります。

 自然災害、結婚などの人間関係、自分の願望と現実の能力、寿命などだけでなく、自民・公明のゆがんだ政治と大企業・財界の横暴がまかりとおる現代社会では、個人の人生設計が突然破滅する事態に直面したり、将来展望が見えなくなったりすることがあります。家庭や職場、地域社会などでの人間的連帯が破壊され、「自己責任」を押し付けられて、苦悩や迷いからの打開の道が見えなくなり、相談することもできないとなると、占いに頼りたくなることもあるでしょう。占いによって決断できた、という場合もあるかもしれませんが、そこに合理的根拠があると証明することはできません。

 日本共産党は、「しんぶん赤旗」を通じて、社会的良識の国民的普及に努力するとともに、人間らしい暮らしの基盤を破壊する政治、経済、文化にたいして、人間的交流による社会的連帯で反撃し、人間がともに支えあい、希望をもって生きられるよう、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会をめざしています。(平)〔2008・7・5(土)〕


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