2008年7月2日(水)「しんぶん赤旗」
PL法の見直し必要
輸入品事故多発
被害救済を論議
全国消費者団体連絡会は一日午後、東京都千代田区で「輸入品の製造物責任―ギョーザからエレベーターまで―」と題してPLオンブズ会議二〇〇八年度報告会を開き、七十人余が参加しました。輸入製品による事故にともなう被害救済のあり方やPL(製造物責任)法の見直しについて論議しました。
PL法は一九九五年に施行され、十四年目をむかえています。最近でも、中国産ギョーザの農薬混入やシンドラー社エレベーターによる高校生死亡事件など、輸入製品による事件・事故が続いています。
報告会では、消費者からみた輸入品の事故についてのアンケート調査結果をPLオンブズ会議の土田あつ子さんが報告。
日本生活協同組合連合会の組織推進本部の山内明子本部長は中国産ギョーザ事件を例にとり、輸入品の製造物責任について報告しました。個人輸入をめぐるトラブルとPL法との関係についても話しました。
意見交流では「シンドラー社のエレベーター事件に関心がある。ドアがあいたまま動き出すこと自体が問題で、ヨーロッパではどういう安全基準になっているのか」などの質問が出されました。
中村雅人弁護士がPL法改定にかんし、「現行の製造物責任法は対象を狭く定めている。広く農産物などを含めて対象にし、被害救済に有効な法律に改定すべきだ」とのべました。
PL法 製造物責任法のこと。PLはProduct Liabilityの略。製品の欠陥によって発生した被害・損害について、企業側の過失を証明しなくても、賠償請求できることを目的に定めた法律。一九九五年七月に施行されました。

