2008年7月1日(火)「しんぶん赤旗」

“イラク戦 忘れぬため”

ブッシュの名 下水処理施設に

サンフランシスコ 住民提案


 二〇〇六年の住民投票で、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領の弾劾要求を可決したサンフランシスコ市で、新たな住民投票の動きが起こり、米メディアが注目しています。

 ブッシュ大統領の「功績」を残そうと、市内の下水処理施設に「ジョージ・W・ブッシュ」の名前を冠することを提案するもの。要請署名は現在、住民投票の実施に必要な千三百を大きく上回り、八千五百を超えているといいます。

 十一月四日の大統領・連邦議員選挙にあわせた住民投票の実現を目指して署名集めをしているのは、住民グループ「大統領記念委員会」です。

 住民投票の意図として、ブッシュ氏の八年にわたる政治を「米国史上に前例のないもの」として後世に伝えるため、次期大統領が就任する「〇九年一月二十日」から下水処理施設を改名すると説明しています。

 署名運動を始めたブライアン・マコーネル氏は、地元紙サンフランシスコ・クロニクル(二十四日付)に対し、「五十年後の公民の授業で、生徒たちはリンカーン記念館やジョージ・W・ブッシュ下水処理施設を学ぶだろう。生徒たちはすぐに、なぜと問うだろう。そこでイラク戦争や開戦にいたる話を議論することができる。人間は悪い歴史の記憶を忘れたいものだが、そうさせないようにするのが私たちのやり方だ」と説明しました。(ワシントン=鎌塚由美)



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