2008年6月30日(月)「しんぶん赤旗」
民主主義守れ 中南米式典
軍事クーデターで殺害
チリ元大統領生誕100周年
【メキシコ市=島田峰隆】一九七三年の軍事クーデターで殺害されたチリのアジェンデ元大統領の生誕百周年を記念する催しが二十六日、中南米各地で開かれました。参加者らは、アジェンデ元大統領のたたかいを振り返り、民主主義擁護の決意を新たにしました。
チリの首都サンティアゴでは、社会党など与党連合と共産党の代表が出席して記念式典が開かれました。社会党のエスカロナ党首は「民主的な大統領が倒されることが二度とないことを望む」と語り、民主主義を守るたたかいを呼びかけました。
バチェレ大統領は同日、記念展示会の開幕式で演説。「国民のためにより尊厳ある生活を求めてたたかう人々がいる限り、アジェンデのたたかいは有効だ」と語りました。
メキシコでは国立自治大学が式典を開催。ナロ学長は、クーデター首謀者らは「見通しを誤った」と述べ、アジェンデ殺害後もラテンアメリカでは彼の思想を受け継いで、貧困や不平等とのたたかいが続いていることを紹介しました。
ベネズエラ、キューバ、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイでも催しが開かれました。
アジェンデ元大統領は一九〇八年六月二十六日生まれ。七〇年の大統領選挙で共産党や社会党でつくる人民連合候補として勝利しましたが、七三年に米中央情報局(CIA)に支援されたピノチェト陸軍司令官によるクーデターで殺害されました。

