2008年6月28日(土)「しんぶん赤旗」

情報保全隊文書と防衛省書式

国が「合致」認める

宮城訴訟


 陸上自衛隊情報保全隊が市民に対する違法な情報収集活動を行っていた問題で、昨年六月に日本共産党の志位和夫委員長が記者会見で発表した同隊の内部文書の一部について、国が防衛省の定める形式と合致していると初めて認めたことが二十七日、わかりました。市民が調査・情報収集の中止などを求めている宮城自衛隊国民監視差止訴訟(仙台地裁)で、国が二十五日に提出した準備書面で認めました。

 訴訟で国側が形式の一致を認めたのは、日本共産党が告発した内部文書のうち、陸自東北方面情報保全隊が作成したもの。国側準備書面では、「情報資料について」と題する五部の文書の表書きについて、それぞれ「防衛省における文書の形式に関する訓令」で定める形式に「合致していることは認める」としました。これは文書が自衛隊作成であることを裏付けるものです。

 訴訟で国側は当初、文書が真正であるかについて「認否する義務はない」「職務上の秘密を明らかにすることであり、かつ公務の遂行に著しい支障を生じるおそれがある」と拒否していました。これに対して畑一郎裁判長は前回口頭弁論(五月十九日)で、認否は慣行として行われていると国側に検討を求めていました。

 文書をめぐっては、日本共産党の公表後、国は情報保全隊による調査活動の存在は認めたものの、文書自体が陸上自衛隊作成であるかは「保存文書であれば確認できるが、そうでなければできない」(〇七年六月二十九日、久間章生防衛相=当時)などと言明を避けてきました。

 原告側弁護団の山田忠行弁護士は「国が文書の様式が合致すると認めたことは、日本共産党が発表した一連の内部文書が自衛隊作成であることの信ぴょう性を高めた。引き続き、自衛隊が文書そのものを作成したと認めさせ、情報収集の違法性を追及していきたい」と話しています。


 宮城自衛隊国民監視差止訴訟 宮城県内で陸上自衛隊情報保全隊の監視対象とされた住民らが昨年十月、仙台地裁に提訴し、国を相手に監視と情報収集の中止などを求めている国家賠償訴訟。原告ら二十六人は自衛隊によって人格権、プライバシーの権利、知る権利、言論表現の自由、集会結社の自由、思想良心の自由など多岐にわたる権利を侵害され、精神的苦痛をこうむったと主張しています。


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