2008年6月27日(金)「しんぶん赤旗」

同時派兵もう無理

英参謀総長が悲鳴

イラク・アフガン


 【ロンドン=岡崎衆史】二つの戦争を同時にたたかうことはできない―アフガニスタンとイラクに米軍に次ぐ兵力を駐留させている英軍の最高幹部が、これ以上両国に同規模の兵力を維持できないと悲鳴を上げています。増え続ける兵士の死者への懸念を反映したものです。

 英メディアが二十五日伝えたところによると、ジョク・スターラップ英軍参謀総長は二十四日、ロンドン市内で記者団に対し、「二つ(アフガンとイラクへの派兵のこと)をこの規模で継続するようにはわれわれはできていないし、資金もない」と発言。「二つのうち一つが小規模になるまでは、能力の限界を超えて展開することになる」と警告しました。

 同参謀総長の発言について、デーリー・テレグラフ紙は、「軍が二つの戦争で直面しているたたかいに対して、英軍の最高幹部が初めて深刻な疑問を示した」と報道。「アフガンでは過去わずか二週間で十人の兵士が死亡し、英国は長期の勝ち目のない戦闘に引き込まれつつあるのではないかとの恐れが生じている」と発言の背景を分析しました。

 英国は現在イラクに四千二百人、アフガンに七千八百人を派兵。開戦以来の兵士の死者は、二十五日現在で、それぞれ、百七十六人、百七人です。

 このうち、イラクでは撤退に向け、主な役割を戦闘活動から監視活動に変更したため三月以来死者はでていません。しかし、戦闘に従事しているアフガンでは、今月死者が百人を突破し、さらに増加を続けています。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp