2008年6月24日(火)「しんぶん赤旗」

論戦貫いた156日間

日本共産党と第169通常国会(2)

非正規雇用

“世論揺さぶる”追及


 「マスゾエ(舛添要一厚労相)がやっと日雇い派遣禁止の法改正を言明したぞ!」「この質問がマスゾエを変えた」「マジで共産党見直した!」(インターネットの動画サイト「ニコニコ動画」への書き込み)

今も続く反響

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(写真)パネルを示して福田首相らに質問する志位委員長=2月8日、衆院予算委

 深刻な貧困と格差を招いた最大要因の一つである非正規雇用問題。舛添厚労相は十三日、次の臨時国会にも労働者派遣法改正案を提出し、日雇い派遣は原則的に「やめるような方向で」対応したいと表明しました。

 舛添厚労相の姿勢を「変えた」というのは、日本共産党の志位和夫委員長が衆院予算委員会で行った質問(二月八日)のことです。質問への反響は四カ月以上たったいまも続いており、質問の録画が掲載された同サイトには、連日感想が書き込まれています。

 質問で志位氏は、日雇い派遣の過酷な作業と低賃金に苦しむ青年たちの実態と悲痛な声を突きつけました。

 ―倉庫作業と聞いていたのに、実際は冷凍倉庫。防寒服もなく、軍手だけで作業し、半日で凍傷に。

 ―二年間働いたあげく、「もう来なくていい」の一言で突然解雇された二十六歳の女性…。

 志位氏は、「規制緩和」で不安定雇用と格差を拡大した政府・与党の責任を厳しく追及。福田康夫首相から「日雇い派遣は好ましくない」「中長期的に見て、若者の不安定雇用は良くない」との答弁を引き出しました。

 「毎日」二十三日付コラムは、「関根(秀一郎・派遣ユニオン書記長)の調査や志位の追及は世論を揺さぶった」と書きました。

 今国会では、衆参両院の代表質問に、民主党から計五人の議員が質問に立ちましたが、「パートや若者の労働環境は改善していない」(鳩山由紀夫幹事長)とのべたものの、日雇い派遣の禁止など、派遣労働の規制強化には触れませんでした。

 志位氏の迫真の追及を目の当たりにした若者らからは、「こんなこと言えるのは共産党だけ」「企業献金もらっていないからいえるんだよ」との書き込みも。質問は、日本共産党の“本気度”とともに民主党など他党との違いを際立たせました。

ネットに反応

 インターネット上の反響に全国紙やテレビ局も注目し、この問題での日本共産党の主張や取り組みを次々と取り上げています。

 日本共産党は、実際の法改正に向けても機敏に動きました。四月十日には、党としての改正案を発表し、五月二十三日の四野党書記局長・幹事長会談の席上、市田忠義書記局長が改正案の共同提案をめざして協議を提案。その後も協議の実現に向け、粘り強く各党に働きかけました。

 派遣労働者自身のたたかいや運動も広がっています。派遣など不安定雇用で働く若者が中心となって結成された首都圏青年ユニオンなどは五月十一日、全国青年大集会(十月五日開催)の事前企画「TOKYO若者メーデー」を開催しました。

 キヤノンやいすゞ自動車などの大手企業も、世論の批判をかわすかのように、派遣労働解消の方針を示すなどの動きをみせ始めています。

 一方、派遣労働の「甘い汁」を吸い続けたい財界側は、派遣労働の規制強化どころか、逆に「柔軟な雇用・労働法制の確立」などの「要望」の「実現度合いが低くなっている」として、さらなる規制緩和を求めています。(「2008年度日本経団連規制改革要望」、十七日)

 “派遣労働者保護法”と呼べる抜本的な法改正の実現は、今後の国会内外でのとりくみとたたかいにかかっています。(つづく)


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