2008年6月23日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

楽しい 元気

大好き民青

保育園職場班 悩みも願いも本音トーク

大阪・吹田


 民青同盟のわきあいあい班は大阪府吹田市の社会福祉法人こばと会さくら保育園の職員の班です。「毎週の班会が元気のもと」と仲間を迎えています。(伊藤悠希)


 「いただきます」。わきあいあい班の班会議はこのあいさつから始まります。毎回の班会は夕飯付き。訪ねた日は、おにぎり、みそ汁、サラダ、グラタンなどのメニューが並びました。「おいしい!」とみんな、夕飯に舌鼓を打ちます。園の栄養士、ともさんの手作りです。

 近況を語る3分間スピーチのテーマは「最近こだわっていること」。買い物でレジ袋をもらわない、「マイはし」を持ち歩いている、国産の食べ物、テレビを見ながらの体操、本、話題のドラマなど多岐にわたります。

 保育士の別所未希さん(21)は昨年、不安と期待を抱えさくら保育園に就職しました。班会でほかの保育士たちと話をする機会を得られ、「また明日から頑張るぞと力をもらっています」と話します。

 班長の野元香里さん(28)は「みんな“民青が好き”って楽しんで参加しています。苦労もありますが、保育環境をよくしたいという願いに応える場としても一緒にやろうと誘いたくなるし、一人増えると要求も増えるからまた楽しみが増えるんです」とほほえみます。

 今年、さくら保育園に入った新人保育士が仲間になりました。毎年恒例のお花見に誘い、社会のことを学んで交流しようと呼びかけました。「戦争のない世界になってほしい」と憲法9条を守る活動に共感しています。

 さくら保育園は「だれもが安心して子どもを生み働き続けられる保育園」を目指し、開園して5年。ほとんどの保育士が20代です。開園時間は午前7時から午後7時まで。産休明け乳児保育で40人の子どもをみています。地域に開放した親子教室も行っており、350組以上の親子が参加しています。

 以前の職場や学生時代に民青同盟員だった保育士が「職場の悩みを交流する場をつくりたい」との思いを実らせ、開園と同時期に班をつくりました。

 当初は、がむしゃらに働き、みんな自分のことで精いっぱいで本音での話し合いはなかなかできませんでした。「ある日の班会で仕事にもプライベートにも悩みを抱えている班員が泣き出して…。その悩みにみんなが共感し、時がたつにつれ気兼ねなく話せるようになったんです」とさくら保育園の保育士で吹田摂津地区委員長の柳由美さん(25)は話します。

 毎回の班会では、さまざまなことを学んできました。最近では府政の焦点になっている橋下知事の「行革」は府民サービス切り捨てであることを学習しました。野元さんは言います。「これまでも家庭や子どもたちの困難の背景には保護者の長時間労働が影響していると学んできました。保育所予算や私学助成金の削減が盛り込まれている『橋下行革』が押し付けられたら保育がしにくくなります。学ばないとしんどいだけですが、学習することで展望が持てます」

 保育園では行事も多く、準備で夜遅くまで残ることもあります。柳さんは「仕事も班の活動も両方頑張りたい」との思いを持っています。園長も若い職員たちの活動を見守ってくれています。

 柳さんは「民青同盟での活動は自分たちの生き方でもあります。どんな人間になるのか、どんな保育士になるのかを学んでいる場所です」と話します。


毎週発行 班ニュース

 班ニュースは毎週発行し、前回の班会議の様子、その日の班会でやること、今後の予定が書いてあります。LC(班の中心メンバー)が交代で書き、興味を持った新聞記事などについてコメントを載せています。班会議に参加できなかった班員にも届けて班員同士の交流に役立てています。地区委員会が出しているニュースは写真が中心で地区の交流を図るものになっています。


 日本民主青年同盟(民青同盟) 青年の要求実現と一人ひとりが大切にされ、平和な日本をめざす自主的な青年団体。日本共産党を相談相手に活動しています。15歳以上の青年で構成され、職場、地域、学園に班をつくり、班会議を基本に活動しています。


お悩みHunter

受験勉強に身が入らない…

  高3になったので、受験勉強に本腰を入れなければとは思うのですが、あまり身が入りません。今の偏差値で入れそうな大学は、行きたいと思えるようなところはなく、かといって頑張ってまで行きたいと思えるような大学も見つかりません。(18歳、男子、東京都)

自分の人生考え「急がば回れ」

  ありのままの自分を相談してくださってうれしいです。しかし、正直言って進学に対するあなたの考えは心配です。

 今の偏差値では行きたいところがない。かといって頑張ってまで入りたいと思う大学もない。これではやる気がしないのも当然です。このように主体性のないあいまいな姿勢では、たとえどこかの大学に入っても、すぐに壁にぶつかるように思えてなりません。

 そもそも学びたい学問や身につけたい資格や技能がはっきりしていれば、進路は自然に決まります。また、好きなこと、やりたいことがあれば、方向も見えてきます。

 今や大学の入学金は、私立なら自宅通学でも4年間で400万円。多くの家庭が170万円以上もの借金。学生の4人に1人は教育ローンを借り、かけ持ちバイト。それでも、卒業と同時に400万〜600万円もの借金を背負って社会に出るのです。

 勉強とは「学校のため」にするのではありません。大学は自分の「人生のために」学ぶ場なのです。

 偏差値を上げることやブランド校に合格することが目的ではありません。自分の人生を豊かに充実させるためにこそ学ぶのです。

 まずは自分がどういう人生を送りたいのか、それを今一度、じっくり考えるところから始めてみてはいかがでしょう。

 急がば回れです。


教育評論家 尾木 直樹さん

 法政大学キャリアデザイン学部教授。中高22年間の教員経験を生かし、調査研究、全国での講演活動等に取り組む。著書多数。


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