2008年6月20日(金)「しんぶん赤旗」

国民負担増を示唆

社会保障国民会議中間報告

「抑制」の大本変えず


 政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)は十九日、今後の社会保障制度のあり方についての中間報告をまとめ、福田康夫首相に提出しました。

 報告では、少子高齢化のなかで「社会保障制度は財政上の困難に直面する」ことなどを指摘。「速やかに負担についての国民合意を形成し、国・地方を通じた必要な財源確保を図るべきである」と提起しました。消費税など財源への直接的な言及はしていませんが、「給付の裏側には必ず負担がある」として、国民の「制度を支える責任」を強調。国民負担増をにじませました。

 会議に出席した福田首相は、「社会保障制度は国民の理解と納得のもと、みんなで支えあうことで初めて成り立つ」と述べ、野党を巻き込んだ議論をおこなう意図を示しました。

 報告では、「これまでの社会保障改革は、経済財政政策との整合性に重点」を置いた改革であったが、今後は「社会保障の機能強化」に重点を置く、と表明。「社会保障費抑制路線」に国民の批判が集まっていることを意識して、一定の「手直し」をする方向も示唆しました。しかし、社会保障費抑制の大本にある「年間二千二百億円の圧縮路線」からの転換を求める表現は一切ありませんでした。

 同会議は今年一月に設置されて、会議のもとに分科会をつくり(1)雇用・年金(2)医療・介護・福祉(3)少子化・仕事と生活の調和などの分野で、制度のあり方などについて議論してきました。五月には、基礎年金を「全額消費税方式」にした場合、消費税が最大18%になるとの試算を発表しました。秋にまとめる最終報告の議論のなかでは、医療・介護・福祉サービスの将来費用の推計をおこなうことにしています。


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