2008年6月16日(月)「しんぶん赤旗」
非識字克服 決意新たに
キューバ 30カ国代表1000人が会議
【メキシコ市=島田峰隆】識字・基礎教育イベロアメリカ会議が九日から十二日までキューバの首都ハバナで開かれました。キューバの援助で識字運動に取り組んでいる中南米諸国を中心に三十カ国の閣僚ら約千人の代表が参加し、非識字克服へ決意を新たにしました。
キューバの通信社プレンサ・ラティナーによると、イグレシアス・イベロアメリカ事務局長はメッセージで、イベロアメリカ諸国(スペイン、ポルトガルと両国の旧植民地諸国)にはまだ三千四百万人以上もまったく読み書きできない人がいると指摘。識字運動は、貧困や社会的排除に苦しむ人々の必要を満たす開発計画のなかで「絶対に欠かせない要素だ」と語りました。
キューバのベラスケス教育相は、この間のキューバの支援により二十八カ国で三百万人以上が読み書きできるようになったと紹介し、今後も「識字運動を求めるあらゆる国に支援を差し伸べる」と述べました。
今年四月に革新大統領が誕生した南米パラグアイのラフエンテ教育副大臣は、先住民言語とスペイン語の両方の識字運動によって「あと五万人を教育できると非識字ゼロを宣言できる」ところまで達したと強調。今年末を目標に非識字を克服できるよう新政権の抱負を語りました。
キューバは約十年前に「私もできる」という識字教育システムを開発。中南米やアフリカ諸国、いくつかの先進国で識字運動を支援してきました。今ではスペイン語だけでなく英語や中南米の先住民言語の識字運動も担っています。キューバの識字運動は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からも表彰されています。

