2008年6月13日(金)「しんぶん赤旗」

住友電装の孫会社「三陸ハーネス」閉鎖

争議団、中労委で和解


 住友電装などによって閉鎖、全員解雇された自動車部品会社「三陸ハーネス」(宮城県南三陸町)争議は十二日、全労連・全国一般宮城一般労働組合の争議団十八人に、住友電装と子会社の協立ハイパーツが和解金を支払うことで中央労働委員会で和解しました。


 住友電装の孫会社の三陸ハーネスは、県の誘致で一九八八年に操業しました。親会社が生産拠点を中国に移転したとして二〇〇五年九月に閉鎖。地元の旧・志津川町議会は「工場の存続と雇用の確保」を求める決議を全員一致で採択しましたが、社員五十七人を含む関連会社の約二百人が失業に追い込まれました。

 労組は、「もうけのため労働者と地域経済を切り捨てる横暴は許せない」と立ち上がりました。住友電装は「雇用関係にない」と拒んでいましたが、宮城県労働委員会は〇七年、「(閉鎖は)住友電装の主導で決定された」として団交に応じるよう命令。中労委で交渉が行われていました。

 組合員らはパートなどで生活を支えながら支援を広げてきました。組合員が自殺する事件も起きましたが、妻がたたかいを引き継ぐなど、争議団は「命まで奪う大企業の姿勢を変えたい」とたたかい続けてきました。

 和解後の集会で、三陸ハーネス支部の山内誠支部長(43)は、「全国のみなさんのご支援の力で、苦しみや悲しみを乗り越え、たたかい続けることができました。和解の日を迎えられ、本当にうれしい」と語りました。

 宮城一般の鈴木新委員長は、「このたたかいを力に多くの困っている人に手をさしのべていきたい」とのべました。



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