2008年6月11日(水)「しんぶん赤旗」

少年審判の機能変質

仁比議員反対討論

少年法改定案を可決

参院委


写真

(写真)反対討論に立つ仁比聡平議員=10日、参院法務委

 参院法務委員会は十日、原則非公開の少年審判の傍聴を、殺人など重大犯罪に限り被害者や家族に認める少年法改定案を、自民、公明、民主の賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。

 採決に先立ち、日本共産党の仁比聡平議員が反対討論に立ち、「被害者の傍聴は、少年審判の機能を変質させる恐れが極めて強い」とし、加害少年が十二歳未満の場合は傍聴を認めないとする修正案でも懸念は消えないと批判しました。

 仁比氏は、置き去りにされてきた被害者の願いに応えることは「重要な政治課題だ」としたうえで、少年法は少年の更生と再犯防止を目的としていると強調。少年が委縮することなく審判に参加できる環境の確保が不可欠だと訴えました。

 仁比氏は、被害者の傍聴による少年の委縮は否めないと指摘。委縮が予想されれば傍聴を認めないというが、どのような状態を委縮とするかも明確でなく、裁判官の裁量的判断に歯止めがかかっているとは言えないと主張。結果的に、被害者の要求があれば傍聴を認めることになりかねないと警告しました。

 また、被害者が閲覧・謄写できる範囲を、少年の高度のプライバシーを含む記録まで拡大することについても、「少年の更生への影響からみて問題だ」と批判しました。

 仁比氏は最後に、徹底かつ慎重な審議を求めてきたにもかかわらず、審判廷の視察すら行わずに採決に至ったことを厳しく抗議しました。


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