2008年6月10日(火)「しんぶん赤旗」

憲法審査会

規程議決の検討要請

衆参議運委員長が自民・民主に


 衆参両院の議院運営委員会の委員長と自民・民主両党の筆頭理事は九日、衆参両院合同代表者会議を開きました。その席で衆院の笹川尭(自民党)、参院の西岡武夫(民主党)の両議運委員長が自民、民主の両会派に対し、憲法審査会を始動させるための規程の議決について検討を要請しました。

 笹川氏は、「衆院の方では一応めどが立てられるが、参院の方ではどうにもならない。参院の理事に民主党の中をまとめてほしい」と発言。院の違いをこえて、審査会規程の議決へ民主党の協力を強く求めるなど、なりふり構わない姿勢を見せました。

 しかし、この日の会合は意見交換にとどめ、審査会規程の内容についての議論や今後の方向性についての確認などは行われませんでした。

 昨年五月に与党が強行した改憲手続き法にもとづいて、憲法審査会が国会に設置されましたが、委員数や審査のルールを定める審査会規程はいまだに決められず、審査会は始動できていません。


解説

議決の道筋に執念 改憲派が強い圧力

 憲法審査会規程の議決をめぐって衆参両院の合同代表者会議まで開いて協議したことは、国会が会期末を迎える中で、なんとしても議決への道筋をつけようという改憲派の執念を示すものです。遅くとも次の臨時国会からは憲法審査会を始動させるという狙いがあります。

 自民党の笹川尭衆院議院運営委員長は会見で、「いつまでも結論を出してもらえないなら、それなりの措置をせざるをえない」などと発言。自民党憲法審議会幹部も「衆院だけでも議決するという可能性は排除していない」と述べており、衆院単独での憲法審査会の始動という強硬路線を選択肢に入れています。

 こうした動きの背景には、自民、公明、民主、国民新各党の議員らでつくる新憲法制定議員同盟など改憲派の強い圧力があります。

 また笹川氏は、「参院側でひとつ、民主党の中をまとめてほしい。今国会中になんとか努力してほしい」と民主党の協力を強く求めました。

 もともと民主党は改憲という点では自民党と同じ土俵に立っています。三月に開かれた新憲法制定議員同盟の総会では、鳩山由紀夫幹事長ら幹部が同議員同盟の役員に就任しています。民主党憲法調査会関係議員も「審査会規程の議決をいつまでも先延ばしにはできない」としており、改憲論議の推進そのものに反対ではありません。(中祖寅一)



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