2008年6月8日(日)「しんぶん赤旗」

教育への攻撃はね返せ

「教科書ネット」 10周年で総会


 「子どもと教科書全国ネット21」は七日、結成十周年を迎え、記念講演と総会を東京都内で開きました。百三十人の参加者は、改定された学習指導要領の問題点や憲法問題を学び、運動の力にしました。

 国際基督教大学教授の藤田英典さんが記念講演しました。藤田さんは学習指導要領の改定案に最終段階で「君が代」を「歌えるよう指導する」などの修正と追加がされたことについて「手続き的にも内容的にも問題がある」と指摘。修正・追加された部分は国家主義的なイデオロギーが強く、改憲勢力がかかわっているのではないかとのべました。

 またテストによる「学力」重視と教育現場の統制がさらに強まる危険性があるとのべました。「学校教育に成果主義はなじまない」と政府や文部科学省を批判しました。

 憲法をめぐる現状を報告した同ネット代表委員で東京大学教授の小森陽一さんは、九条改定の問題で見落とせないのは教科書問題だと指摘。

 日本軍「慰安婦」や沖縄戦「集団自決」問題を例にあげ「政府が戦争する国へ大転換しようとするとき、必ず教科書や子ども、教育現場への攻撃が始まる。(それに対して)危険だとのろしをあげられる一番の勢力は歴史認識を保持している組織の力だ」と参加者を励ましました。

 総会では、沖縄戦「集団自決」に関する「日本軍強制」の記述を削除した文科省の教科書検定問題が報告されました。今後の運動の柱として▽検定意見撤回と記述回復▽教科書検定制度の抜本的見直し▽大江・岩波沖縄戦裁判の支援―が提起されました。教科書検定制度の廃止などをめざす「教科書制度改善に向けた提言」を拍手で承認しました。



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