2008年6月8日(日)「しんぶん赤旗」

“エルサレム発言”修正

パレスチナの批判受け

米民主オバマ氏


 【ワシントン=鎌塚由美】米民主党の大統領候補としての指名が確実なオバマ上院議員は四日、「エルサレムは(イスラエルの)首都でありつづけ、分割されるべきでない」と述べ、パレスチナ自治政府などから反発を引き起こしました。オバマ氏は批判を受けて五日、発言を修正しました。

 イスラエルは一九六七年の第三次中東戦争で東エルサレムを占領し併合。エルサレムを「不可分の永遠の首都」と宣言しました。東エルサレム(旧市街)は、イスラム、キリスト、ユダヤの三大宗教の聖地です。

 エルサレムを首都とすることは国際的には承認されておらず、米国を含め各国政府は、自国の大使館をテルアビブに置いています。大使館をエルサレムに置く国はありません。

 六七年の国連安保理決議二四二は、東エルサレムを含む占領地からのイスラエルの撤退を求めています。パレスチナ自治政府は、東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置づけており、これは、パレスチナ・アラブ側だけでなく、国連、欧州連合(EU)も認めています。

 オバマ氏は、米政界に大きな影響力を持つイスラエル・ロビー「米国イスラエル広報委員会」(AIPAC)の総会で発言。親イスラエル姿勢を売り込み、喝采(かっさい)を受けました。

 有力政治家がこぞって演説した同総会で、共和党の大統領候補となることが確実なマケイン上院議員も演説しましたが、エルサレムをめぐってはイスラエル擁護発言はありませんでした。

 パレスチナ側からの批判を受け、オバマ氏は五日、米CNNテレビとのインタビューで、「明らかに、これらの問題の交渉は関係諸国次第だ。エルサレムも交渉の対象となるだろう」と言い直しました。


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