2008年6月8日(日)「しんぶん赤旗」

温暖化対策

日本は中期目標を

400団体加盟国際NGO 福田首相に書簡


 【ロンドン=岡崎衆史】地球温暖化問題に取り組む世界の四百以上の非政府組織(NGO)からなる気候行動ネットワーク(CAN)は六日、福田康夫首相に書簡を送付し、主要国首脳会議(G8サミット)議長国としてリーダーシップを発揮するためにも、最新の科学に基づき中期目標を掲げて温暖化対策に当たるよう求めました。

 書簡は、福田首相が九日に打ち出す温暖化対策の包括提案で、日本が二〇五〇年の温室効果ガス削減の長期目標を一九九〇年比60―80%削減としようとしていることを「歓迎」。しかし、それだけでは、「排出削減対策の実施を遅らせてしまう恐れがある」とし、二〇二〇年に25―40%削減の「中期目標を発表することが何より不可欠」と強調しました。

 日本が固執しているセクター別アプローチ(産業別の温室効果ガス削減可能量を積み上げて目標を設定する手法)については、「中期目標を低い数値におさえるためではないということを明確にしておく必要がある」と指摘。25―40%削減の中期目標を出さずにセクター別アプローチを主張すれば、リーダーシップ発揮にならず、科学を無視しているものと受け止められると警告しました。

 書簡は懸念の根拠として、経済産業省が今年発表した「エネルギー需給見通し」が、最先端技術を最大限導入した場合でも、二〇年の排出削減を4%と予想していることを挙げました。

 さらに書簡は、排出量取引制度と炭素税の実施で、日本が京都議定書の第一約束期間(〇八年から一二年まで)の九〇年比6%削減の目標を真剣に達成しようとしていることを示すよう訴えました。

 書簡は、国連気候変動枠組み条約の作業部会が開かれているドイツ・ボンから送付されました。



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