2008年6月4日(水)「しんぶん赤旗」

財政審会長

“来年度予算審議で消費税増税決めよ”


 財政制度等審議会(財務相の諮問機関、西室泰三会長)は三日、二〇〇九年度予算編成に向けた建議(意見書)をまとめ、額賀福志郎財務相に提出しました。意見書は自然増を毎年二千二百億円ずつ抑制する「社会保障費抑制路線」の堅持を明記しました。また、安定財源確保のためとして消費税増税を含む「税体系の抜本的改革」を早期に実現することを求めました。

 西室会長は意見書提出後の記者会見で「早期(に実現)とは、今度の予算審議の中でやるべきだということだ」と言明。〇九年の通常国会で消費税増税法案を成立させるべきだとの考えを表明しました。

 西室氏はまた、「順番から(次は)介護だということではなく、医療や雇用、年金も含めて全部一体的な見直しをする時期に差し掛かっている」と述べ、社会保障全体で抑制に取り組むべきだとの見解を示しました。

 同意見書は社会保障関係費について「不断の見直しや抑制努力が不可避」だとして、医療・介護等のサービスコストの抑制などを提言しました。

 介護保険制度については「年末に向け、利用者負担や公的保険給付の範囲の見直し等も含め、更に検討を深めていく必要がある」としました。財政審はこれまでの会合で介護保険制度について、軽度者の給付抑制や負担増を盛り込んだ試算を検討してきました。

 意見書は額賀財務相が経済財政諮問会議で報告し、今月下旬にも取りまとめられる「骨太の方針2008」に反映されます。


 財政制度等審議会 財務相の諮問機関で、国の財政のあり方等について議論し、毎年6月と11月に次年度予算編成等に関する建議(意見書)を財務相に提出します。委員は財界代表や学識経験者らで構成されています。会長は、西室泰三東京証券取引所会長(前日本経団連評議員会議長)。

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