2008年6月2日(月)「しんぶん赤旗」

命・暮らし守る財政に

大企業・資産家こそ負担を

TVで小池氏


 日本共産党の小池晃政策委員長は一日放送のNHK「日曜討論」で、「財政再建は大事だが、国民の暮らしは財政のためにあるのではない。財政のために命や暮らしが脅かされることがあってはならない」と強調しました。これは、与党側から、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円削減する路線は「限界にきている」とする一方で、「財政規律の維持は大切だ」との発言が出されたことを受けて、述べたものです。

 小池氏は、財政再建の方向について、「社会保障を削るやり方を続け、暮らしが不安定になれば、経済は立ち行かなくなり、結局、税収も減る悪循環になる」として、財政再建というのであれば、社会保障の削減ではなく、道路特定財源や軍事費の無駄づかいにこそメスを入れるべきだと主張しました。

 また道路特定財源について小池氏は、「来年度から一般財源化するというが、十年間、特定財源として維持する法律を(政府・与党が)通した。この矛盾を解決するのは政府・与党の責任だ」と指摘。「まず、(十年間で五十九兆円を道路建設につぎ込む)道路中期計画は撤回するということをはっきりいうべきだ」と述べました。

 自民党の津島雄二税調会長は、道路以外に使うのは国民の合意がえられないと主張。これに対し小池氏は、道路中期計画では、救急病院にアクセスできるように道路をつくるとしていることなどをあげ、「だったら(道路特定財源は一般財源化し)病院をつくった方がいい。暫定税率の上乗せ分は、廃止したうえで、税収を医療や福祉に使っても国民から批判は起こらない」と述べました。

 また津島氏は、「消費税も含めて議論し、何が一番、国民に受け入れられやすいかを考えなければいけない」「低所得層に保険料をお願いするのは、逆進性が強い」と発言。これにたいし小池氏は、「消費税よりも逆進性が強いような保険料の制度をつくってきたのは自民党だ。そこに気づいているのだったら直していただきたい」と厳しく批判しました。

 その上で、「税は、負担能力に応じて負担するのが原則だ」として、大企業や大資産家には十年間で七兆円の減税が行われている実態などを告発。「大企業や大資産家は負担能力がある。負担能力のある人に負担を求めずに、負担能力のない庶民に能力を超える負担を押し付けるのはやめるべきだ」と強調しました。



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