2008年6月1日(日)「しんぶん赤旗」
チリ外相
中南米との意見の違い
「米は受け入れよ」
【メキシコ市=島田峰隆】チリのフォックスレイ外相は五月二十九日、訪問先のワシントンで、「ラテンアメリカ諸国は米国とより成熟した平等な関係を持てる発展段階に入った」と指摘。ラテンアメリカ諸国と米国の間に意見の相違があっても「米国はそれを受け入れなければならない」と語りました。
米研究機関「インターアメリカン・ダイアログ」の催しで述べたもの。チリは南米十二カ国でつくる南米諸国連合の議長国になったばかりです。対米自立を図る南米諸国の決意を改めて表明したものといえます。
同外相は、ラテンアメリカ地域には経済格差が残るものの、経済成長、貧困の削減、民主主義の定着など二十年前と比べて変化があり、米国に対して新しい姿勢で向き合っていると指摘。
「(米国との)成熟した関係は、次のことを意味する。つまり、すべての面でわれわれと意見の一致が見られるわけではないという事実を米国が受け入れなければならないということだ」と強調しました。
同外相は、その例として、二〇〇三年に国連安保理非常任理事国だったチリが米国のイラク戦争を支持しなかったことを挙げました。
さらに「米国はラテンアメリカ地域での貧困とのたたかいに加わる必要はない。それはわれわれの課題だ。われわれのすべきことに手出ししないように」とクギを刺しました。
同外相は、南米諸国連合の議長国として、貧困克服を目的としたラテンアメリカ統合を促進すると約束。「ラテンアメリカは、より急速に先進国の状況に到達することができるだろう」と語りました。

