2008年5月31日(土)「しんぶん赤旗」

県議選の沖縄で自民がCM

“差別医療”逆風かわし?


 後期高齢者医療制度に国民的な怒りが噴出するなか、自民党本部はテレビコマーシャル(CM)まで作製し、火消しに躍起です。次期総選挙の「前哨戦」と各党が位置づける沖縄県議選にあわせ、三十日から全国に先行し沖縄県で放送を開始しました。

 CMは「長寿(後期高齢者)医療制度を語る」として、浜田幸一元衆院議員(79)が「自民党はおじいちゃんおばあちゃんを大事にする政党なんだろ? だから、(後期高齢者医療)制度をつくった」と力説するもの。「困ったことは、直せばいい」「かわいい子どもたちのためにも頼むよ。自民党!」などと制度「見直し」に向け、エールを送っています。

 インターネットでCMを視聴した兼城賢清さん(92)=沖縄市=は「制度の中止・撤回の運動が大きくなってあわててつくったものだ」と一蹴(いっしゅう)します。兼城さんの年金は月四万円弱。年金からの天引きを十月に控え、「生死の境に立たされている」と話します。「高齢者を家族から引き離し、差別する制度は、『見直し』ではなく、撤回しかない」と語気を強めました。

 自民党本部の広報担当者は、沖縄で先行放送する理由として「制度への理解を深めてもらうため」とする一方、「沖縄でちょうど県会議員選挙があるということで、うまく間にあったということ」と説明。逆風をかわそうという意図は隠しようがありません。「全国放送の予定は未定」としています。


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