2008年5月30日(金)「しんぶん赤旗」

世界遺産 都江堰に亀裂

四川大地震 上流ダム決壊の恐れ


 中国・四川大地震の被害は、歴史的建造物などにも及んでいます。その一つが四川省の省都、成都の北西約五十キロにある世界文化遺産の都江堰(とこうえん)。紀元前二五六年(秦の襄王の時代)に建設が始まった古代水利施設ですが、「観光客受け入れ再開には少なくとも一年はかかる」(関係者)とみられます。(都江堰<中国四川省>=大地震取材団 写真は北條伸矢)


地図

 都江堰は、四川盆地をうるおす岷江の上流部、川が山岳地帯から平野部に流れ出る場所に位置します。中州の形状や堰(せき)を利用した巧みな流路操作で洪水を防ぎ、かんがい用水も安定的に確保するという二千年以上前の知恵は、今もそのままの形で生きています。

 二十八日、地震後はずっと入場禁止措置がとられている都江堰を訪ねました。ところが都江堰に近づくにつれ、家屋の倒壊や土砂崩れが沿道に目立つようになってきます。

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(写真)入場門近くでは、配給物資を待つ地元住民の長い行列ができていました=28日、中国四川省の都江

 全壊した入場券売り場の脇には、幅二メートル以上もある岩が山側から崩れ落ちていました。入場門近くで配給物資を待つ長い行列に加わっていた地元住民の安崇秀さん(55)は、「まだ電気も来ていない。観光どころではないわ」と語ります。

 付近では、台座と向きが二〇度ほどずれた石像を目にしました。地震で一部に亀裂が入ったという堰を見るため中州を歩くと、地面の随所に亀裂が走っていました。この一帯は震源地の汶川県に隣接しており、激しい揺れに見舞われたことが想像されます。

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(写真)全壊した切符売り場=28日、都江堰

 都江堰の上流にある紫坪鋪ダムが決壊する恐れがあるとも報じられており、中国水利省はダムの水位を調整するなどの対策を講じています。


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