2008年5月27日(火)「しんぶん赤旗」

マルチ商法

業界の意向を代弁

議連事務局長、質問繰り返す

大門議員追及


写真

(写真)質問する大門実紀史議員=26日、参院決算委

 近年大きな社会問題になっている「マルチ商法」で、業界よりの民主党国会議員らを中心に議員連盟が結成され、業界の意向を代弁する質問を繰り返している実態が明らかになりました。日本共産党の大門実紀史議員が二十六日の参院決算委員会で追及しました。

 この議員連盟とは「流通ビジネス推進議員連盟」。マルチ商法をすすめる企業などでつくる政治団体「ネットワークビジネス推進連盟」の働きかけで二〇〇三年に設立、「ネットワークビジネス推進基本法」の制定や薬事法の改正などをめざすとされます。

 大門氏が指摘したのは、同議連の事務局長を務める民主党の前田雄吉衆院議員(愛知6区)が、〇七年まで四年連続で行った、業界の意向を代弁したとしか思えない質問の中身です。

 同議員は、〇五・〇六年の質問では、国民生活センターが受け付けたマルチ商法に関する苦情・相談件数に、クーリングオフについての問い合わせを加えないよう求めました。〇七年には、国民生活センターが作成したマルチ商法への注意を喚起するパンフレットに対し、「(マルチ商法を)全否定している」と決めつけ回収すべきだと要求しました。

 これに対し、業界側では発行雑誌などに特集記事や前田議員のインタビューを大きく紹介。議連について、「業界にとって社会的認知向上に大きな援軍となる」などと絶賛しています。

 大門氏は「国民生活センターへの政治圧力だ。これによって被害防止、消費者保護の取り組みが委縮したりおろそかになってはならない」と要求。岸田文雄内閣府消費者行政推進担当相は「国民の立場にたつことが何より大事。消費者・生活者の視点を大切にしていきたい」と答弁しました。


 マルチ商法 加入者が他の人を次々と組織に参加させ、ピラミッド式に販売組織を拡大させていく商法。上部に位置する者ほど高いリベートが得られる仕組み。悪徳商法のイメージを嫌い、ネットワークビジネス、MLMなどとも称します。化粧品、浄水器、健康器具、健康食品など対象はさまざま。ヨーロッパでは規制が加えられていますが、アメリカや日本では商法そのものは野放し状態。勧誘方法については、特定商取引法で連鎖販売取引として規制の対象になっています。



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