2008年5月27日(火)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療 保険料調査

負担増隠す手法

厚労省 偏る世帯設定


 後期高齢者医療制度をめぐって、厚生労働省が実施した「保険料額の変化に関する調査」の方法に、負担増の実態をおおい隠す手法が仕組まれていることが、日本共産党政策委員会の独自試算から判明しました。


 調査(十五―十九日実施)は、市区町村ごとの国民健康保険料(税)と後期高齢者医療制度保険料をモデル世帯にあてはめて計算し、比較したもの。都道府県から報告させ、現在、集計中です。

 しかし、この方法には(1)計算にあたって国保料の「資産割」を前提としているため、土地や家屋のない高齢者の国保料が実際より高額になる(2)モデルに設定した世帯構成から、最も負担増となる「ともに七十五歳以上の夫婦と子ども夫婦」などの世帯構成をあらかじめ除外している―という二つの大問題があります。政策委員会が独自試算を行ったところ、負担増になる人数の割合が実態に比べかなり低くなることがわかりました。

 このために、実際には、国保加入だった「後期高齢者」の多くが負担増になるにもかかわらず、調査では、「負担増になるのは三割程度」という結果が出されるおそれがあります。

 年金からの天引きが始まった四月十五日、舛添要一厚労相は「保険料は七―八割の人は下がる」と発言しましたが、その日のうちに「正確な数字はいえない」と撤回しました。今回の調査は世論の批判を受けて、あわてて実施し、近く公表するとしています。しかし、あらかじめ負担増の実態を隠す結果へ「誘導」する調査手法を採用した姿勢が問われます。



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