2008年5月25日(日)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療制度 「廃止を」

老人クラブ会長24人

連名で署名呼びかけ

東京・国分寺


 東京都国分寺市内にある二十八の老人クラブのうち、二十四の老人クラブの会長が連名で、後期高齢者医療制度の廃止を求める署名を呼びかけ、話題になっています。会長連名の「呼びかけ文」は「こんな高齢者いじめの制度は、なるべく早く廃止させなければなりません。…まず、当事者である私たちが声をあげることが必要です」と訴えています。


 この署名運動は、四月の段階で、市内の数人の老人クラブ会長が中心になって準備し、一日に開催された同市老人クラブ連合会の役員会(すべての老人クラブの会長で構成)にはかって、決定されました。

 その決定に基づき、連合会の二十八すべての老人クラブのお年寄り約二千人に、署名用紙と「呼びかけ文」を配布しました。六月初旬の役員会で署名を集約し、国会に提出する予定です。

 国分寺市老人クラブ連合会会長で「呼びかけ人」の一人、滝内劦(ちから)さん(83)=「本多北シルバー四季の会」会長=はいいます。

 「老人クラブは政治とか宗教とかにはタッチしませんが、個人的には自由に活動できます。私は個人的には、この後期高齢者医療制度は、どうしても廃止しなければいけないと思っており、みなさんに署名をお願いしています」

 滝内さんは、後期高齢者医療制度の被保険者証が東京都では黄色のビニールケースに入っていることも批判。「なんで黄色なのか。人をばかにしてはいけない。いまの政治はどうなっているのか。こんな人殺しのやり方は絶対許せない。廃止しかありません」と怒っています。

 同じく「呼びかけ人」の一人、「北の原厚生会」会長の吉田久子さん(78)は「七十五歳以上と年齢で分けたのは、明らかに年寄りを差別し、安上がりの医療をしようとするものです。私は旧社会党の市議を三期務めましたが、この問題は党派を超えて廃止でがんばりたい」と話します。

 吉田さんは「老人だけで保険をつくれば、やっていけないのは当たり前。このままでは、どんどん保険料があがっていく。『老人は死んでください、国のため』というような制度です。よくもこんな弱い者いじめの制度をつくったものです」と怒りがおさまらない様子です。

 「呼びかけ人」の一人、芳賀希夫さん(75)=「東南会」会長=は、地域の老人施設の副理事長をボランティアでしています。

 芳賀さんはいいます。 「この制度は、福祉の心がありません。ひたすら医療費をおさえ込もうとする厚労省の官僚の冷たい姿勢が感じられます。地域の高齢者を毎日のようにみていますが、医療環境を整えることは、高齢者にとって最大の福祉であることを痛感します。それを根っこからぐらつかせるこの制度は、あまりに残酷です。廃止して福祉の理念を取り戻す制度につくりかえてほしい」



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