2008年5月24日(土)「しんぶん赤旗」

シリーズ 廃止しかない 後期高齢者医療制度

保険料上昇 際限なし


 「こんなに保険料をとられたら、とても生きていけない」―後期高齢者医療制度で、重い保険料負担がお年寄りを苦しめています。しかし、これで終わりではありません。シリーズ「廃止しかない」の二回目は、保険料が際限なく値上げされる仕組みについてです。


 四月十五日、保険料の一回目の年金天引きが実施されました。役所には問い合わせや抗議が殺到。通帳を見た高齢者のあいだに、憤りが広がりました。それにもかかわらず、六月十三日には二回目の年金天引きが強行されようとしています。

 今年四月から保険料が増えなかった人も、安心はできません。保険料は将来の値上げが確実だからです。

2年ごと

 保険料は、二年ごとに改定されます。

 その際、患者の増加や医療技術の進歩などで医療費総額が増えれば、それが保険料へとはね返り、値上げされます。また、七十五歳以上の人口が増えれば、それに連動して保険料も自動的に値上げされます。仕組みはこうです。

 後期高齢者医療制度の財源は「七十五歳以上の保険料=10%、健保・国保など他の医療保険からの支援金=約40%、国・自治体の公費=約50%」という割合で負担します(図)。

 しかし、それは最初の二年間だけ。今後、七十五歳以上の人口が増えることにともない、七十五歳以上の負担割合を増やします。最初の10%から15%、20%…という具合に上がっていくのです。

団塊直撃

 際限ない保険料値上げは、これから年をとる現役世代を直撃します。

 グラフは、政府の資料をもとに、将来の保険料負担を試算したものです。七十五歳以上の一人当たりの医療給付費や人口が政府の予測通りに増え続ければ、現在は全国平均で年額七万二千円とされている保険料が、二〇二五年度には十六万円に。二倍以上にはね上がります。

 二五年というのは「団塊の世代」の人たちが七十五歳以上になって、制度に加入する時期です。

 長寿の人が増えれば増えるほど、保険料が値上げされる―とても「長寿を国民皆が喜ぶことができる仕組み」(厚生労働省)などとは言えません。

問答無用

 こんなに値上がりしたら、保険料が払えなくなる―。そんなときに“効果”をあらわすのが、保険料の年金天引きのシステムです。政府・与党は、「支払いの手間を省くため」などという理由をこじつけています。しかし、どんな言葉で取り繕おうと、本当の目的は「保険料の取りっぱぐれ防止」にほかなりません。

 保険料は値上げが確実に見込まれる一方で、将来受け取ることができる年金の水準は、大幅に引き下げられます。これは、「マクロ経済スライド」で、出生率の低下や平均寿命の伸びに応じて、年金額の伸びを抑えてしまうからです。自民、公明の両党が〇四年に強行した年金改悪で導入されました。

 年金を減らしながら、保険料はどんどん値上げして、有無を言わさず年金から取り立てる―こんな制度が存続すればするほど、国民の痛みは増すばかりです。(秋野幸子)

グラフ

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