2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」
クラスター爆弾禁止条約
年内締結へ国際会議
【ロンドン=岡崎衆史】民間人を無差別に殺傷するクラスター(集束)爆弾の使用禁止条約締結を目指す「オセロ・プロセス」の国際会議がアイルランドの首都ダブリンで十九日、開幕しました。クラスター爆弾を全面禁止する条約にするのか、部分禁止にするのか、が焦点。英国や日本などは、誘導装置や自己破壊の機能がついたクラスター爆弾の使用や保有を認めるよう求めています。
参加国は日本を含めて百カ国以上。主要保有国の米国やロシア、中国、イスラエルなどは不参加です。各国は条約の年内署名に向け、最終日の三十日までに条約案の採択を目指します。会議には六十四カ国から二百八十人の市民活動家も参加しています。
初日の会議では、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長がビデオメッセージで、クラスター爆弾について「本質的に不正確で、多くはうまく作動せず、極めて無差別で信頼できない。それは、使用時と紛争後の長い間、民間人を真の危険にさらすことになる」と警告。同爆弾の使用、開発、製造、貯蔵、移転を禁止するよう求めました。
約二百の市民団体からなるクラスター爆弾連合のナッシュ・トーマス調整者は、声明で「各国政府が正しい決定をし、例外や抜け穴、遅延のない禁止の措置を採ると信頼している」と呼びかけ、合法化しようとする英国や日本などの動きをけん制しました。
会議前日の十八日には、ローマ法王ベネディクト十六世が、クラスター爆弾の犠牲者に祈りをささげ、会議がクラスター爆弾を禁止する「強力かつ信頼できる国際条約」で合意することに期待を表明しました。

