2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」

四川大地震

「私も役立ちたい」

被災者救援 ボランティア続々


 【成都=山田俊英】中国四川省の省都、成都市赤十字会前に設けられた四川大震災救援ボランティアの受け付けに続々と若者たちが集まっています。二十日訪ねました。


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(写真)震災救援ボランティアに参加する成都市職業技術高校の生徒=20日、成都(山田俊英撮影)

 事務所が手狭なため、受け付けは歩道に立てたテントの中です。

 楊露さん(18)は小柄な女子高生。成都市職業技術高校の三年生です。クラスの仲間十五人で応募しました。

 「三万人も亡くなって悲しい気持ちです。こんなとき少しでも役に立ちたい」といいます。

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 「みんな専門学校への進学が決まっているのと、高校が臨時休校のため、学校の方は大丈夫。両親や先生も賛成してくれました」

 「腕力はないので、ここで物資の配分を手伝うことになると思います。みんなが心を一つにすれば天災を乗り切れると思います」としっかりした口調で答えました。

 記者が最後に「加油(チャヨウ=がんばって)」と声をかけると、みんなから「加油(がんばります)!」と元気な声が返ってきました。

 成都市の趙洪品さん(30)は自営業ですが、地震発生後、店を閉め、都江堰市や綿竹市で生き埋めになった人の救出に駆けつけました。結局、一人も生存者を救出できませんでした。悔しい思いを抱えてここへ来ました。今はボランティアの受け付けをしています。

 「北川県の高校から二日後に救出された十六歳の生徒は生き埋めの恐怖がよみがえって、病室の壁に何度も頭を打ちつけるのです」

 ボランティアには物資の整理、輸送とともに医療、心のケアの専門家、建設技術者が求められています。

 取材をしていると一人の青年が「話を聞いてほしい」とやってきて「政府の対応が遅い。学校が手抜き工事だ」と興奮したようすでまくし立て始めました。

 心配したリーダー格の人が緊張した表情で飛んできて青年を引き離しました。数万の犠牲者を出したことを外国メディアがどう伝えるか。中国人が今、神経をとがらせていることです。


余震情報で一時避難も

 【成都=山田俊英】大地震の余震が各地で起こっている四川省で、「余震がある可能性」という情報が拡大されて伝わり、二十日未明には省都の成都などでホテルの宿泊客が一時的に避難させられるなどの事態になりました。

 混乱の発端は、四川省地震局が十九日に「十九日から二十日にかけて汶川(ぶんせん)付近でマグニチュード(M)6―7級の余震がある可能性」と発表したこと。成都のテレビがこれを繰り返し伝える中で、「M8級」の地震があるとのうわさが広がりました。

 記者が泊まっていた成都のホテルでは、二十日午前一時ごろにすべての宿泊客が中庭に避難させられました。成都は汶川から百五十キロほど離れています。ホテル近くの民家の人のなかにも外に避難した人が多くみられました。

 正確な情報が分かってくるにつれ、避難した人は自宅に戻りました。

 ただ、現実に二十日にも余震は起こっています。午前一時五十二分には成都西方の平武県でM5級の余震がありました。

 被災地の住民は余震におびえながら大地震後の日々をすごしています。


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