2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」

道路財源“弁護団”の公明党

今度は一般化の「リード役」?


 公明党は、「道路族の弁護士」(『読売ウイークリー』)といわれる冬柴鉄三国土交通相をはじめ、党をあげて道路特定財源を守る先頭に立ってきました。ところが、再議決で強行した道路財源特措法(改定道路整備財源特例法)が成立するや、今度は、来年度からの一般財源化に向けて「公明党がリード役になって頑張っていく」(太田昭宏代表、十三日)などといっています。

 公明党といえば、ガソリン税などの暫定税率でも「今後十年間の道路計画を実施するために必要な財源だ」(高木陽介国土交通部会長)と、その復活の再議決に加担。今回の道路財源特措法でも「地方の声」を引き合いに、「早く成立させることが与党の責任だ」(北側一雄幹事長)と法成立を一貫して主張してきました。

 公明新聞では「道路特定財源は…国民生活を守る役割を果たしている」(一月二十四日付)、「国民生活支える道路特定財源」(二月三日付特集)などとキャンペーンを張ってきました。

 冬柴国交相に至っては、「この10年間が道路ネットワーク整備の最後のチャンス」「道路ネットワークの整備は重要」(公明新聞三月十日付)と言い続けてきました。

 そもそも道路特定財源を十年間も続ける特措法と一般財源化は完全に矛盾する話です。同党も、「一概に一般財源化というのは受益者負担の観点からどうか」(高木氏、二月二十二日)、「一般財源化すれば、全国平等の経済インフラ建設という国の役割が果たせなくなる」(西田実仁参院議員、三月十八日)と反対してきたではありませんか。

 特措法再議決の際の閣議決定自体が総額先にありきの道路中期計画を維持し、「必要と判断される道路は着実に整備する」と明記しています。形だけ一般財源化しても、十年間で五十九兆円も使う予定だった中期計画を維持するのでは、「偽装一般財源化」と言われても仕方がないものです。

 冬柴国交相も、一般財源化の閣議決定後も「必要な道路はつくる」と道路整備につぎ込む姿勢は変えていません。

 これまで“道路特定財源の弁護団”だった公明党が一般財源化の「リード役」を買って出れば、結局、財源が高速道路中心の道路整備計画につぎ込まれるだけになりかねません。



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