2008年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
内陸の地震多発地帯
震源断層の長さ100キロ
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中国・四川省で十二日に発生した大地震の震源が、チベット高原とその東側にある四川盆地との地形的な境界をなす、長さ三百―五百キロメートルの「竜門山断層帯」の一部であることがわかりました。同断層帯は「四川・雲南地震活動帯(南北地震帯)」とよばれる地震多発地帯の中に位置しており、過去にたびたび被害地震が起きています。
名古屋大学地震火山・防災研究センターの解析(暫定)によると、震源断層は、長さ約百キロメートル、幅約三十キロメートル。チベット高原側の地盤が、東の四川盆地側の地盤に乗り上がる「逆断層」です。破壊は、一〇キロメートルほどの深さで始まり、約四十五秒かけて、南西から北東に向かって破壊が進みました。断層のずれは、最大三・四メートルといいます。
中国の内陸部ではユーラシアプレート(岩板)とインド・オーストラリアプレートが衝突し、チベット高原などを形成しています。チベット高原があるユーラシアプレートは、プレート運動によって東へ動いています。東京大学地震研究所によると、今回の震源断層周辺の地域の地盤には、北西―南東方向に圧縮する力がかかっており、年間四―六ミリメートル程度のひずみが蓄積されています。
中国の地震を研究している林愛明・静岡大学教授は「数本の断層からなる竜門山断層帯では、過去数百年間に七、八回の被害地震が起こった。今回の地震は、内陸の逆断層タイプの地震としては最大規模だ」と話しています。

