2008年5月11日(日)「しんぶん赤旗」

ヒズボラ、首都西側制圧

政府側 「クーデター」と非難

レバノン


 【カイロ=松本眞志】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは九日、政府支持勢力との戦闘が続くなかで首都ベイルートの西側半分を制圧しました。

 ロイター電によると、ヒズボラなど反政府勢力と政府支持勢力の三日間にわたる衝突で十八人が死亡、三十八人が負傷しました。シニオラ政権は、ヒズボラの行為を「武力による血のクーデター」だと非難。戦火はベイルート以外にも拡大しているもようです。

 レバノン政府を支援する米国は、ヒズボラ支援のイラン、シリアが「暴力の責任を負っている」と主張。国連安保理が必要な措置をとるよう求めました。欧州連合(EU)、ドイツ、フランスは問題の平和的解決を呼びかけています。

 一方、シリアは、レバノン内部の問題だとして事件との関係を否定し、イランは「レバノンでの暴力は、米・イスラエルの冒険主義的干渉行為によるものだ」と米国の非難をしりぞけました。


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