2008年5月11日(日)「しんぶん赤旗」
08米大統領選
民主党
オバマ氏が優位に
特別代議員数で逆転
【ワシントン=西村央】米民主党の大統領候補者指名争いが大詰めとなってきました。これまで、連邦上下両院議員や知事など幹部党員からなる特別代議員の支持取り付けではクリントン氏が上回っていましたが、ニューヨーク・タイムズ電子版によると九日になってオバマ氏が逆転、予備選で獲得する一般代議員数ですでにリードしているオバマ氏が完全に優位に立ちました。
ニューヨーク・タイムズの集計によると、特別代議員の支持取り付け数はオバマ氏が二百六十六、クリントン氏が二百六十三。特別代議員の支持集計はメディアによって多少の違いがありますが、差は日一日と縮まり、オバマ氏の勢いを感じさせています。
特別代議員で、まだ態度を決めていない人が二百数十人いますが、クリントン陣営の選対責任者のテリー・マコーリフ氏は八日、NBCテレビの番組で「特別代議員の動向は非常に速いものになるだろう」と述べていました。同氏はまた、候補者指名争いでの決着についても、予備選最後となるモンタナ、サウスダコタ両州での投票日の「六月三日後となる」と語り、八月末の全国党大会まで指名争いが続くことは否定しました。
民主党の大統領候補者選びが予想外に長期化していることをめぐっては同党内にも、有権者に「泥仕合」との印象を与え、共和党・マケイン候補に「漁夫の利」を奪われかねないという懸念がありました。また予備選に注ぎ込む資金がふくらみ、本選挙で資金不足となる可能性を指摘する声もあるといいます。
こうしたことから、ここまで予備選でリードしているオバマ氏に支持の流れが加速。様子見だった特別代議員やクリントン氏支持だった特別代議員がオバマ氏支持に転じる結果となっているとみられます。

