2008年5月11日(日)「しんぶん赤旗」

守ろう 国際児童文学館

大阪府が統合狙う 研究者ら再評価シンポ


 大阪府の「財政再建プログラム試案」で府立中央図書館(東大阪市)へ統合対象となっている府立国際児童文学館(吹田市)の役割を再評価しようというシンポジウムが十日、茨木市の梅花女子大学で開かれました。主催は日本児童文学学会・関西。約百人が参加しました。

 同館の向川幹雄館長、元府立図書館職員の脇谷邦子さん、大阪教育大学の松山雅子教授、評論家の鶴見俊輔さんが発言しました。

 脇谷さんは、児童資料に特化して収集・研究し、文化財的整理を行う同文学館と、貸し出し前提の図書館との違いを指摘。「中央図書館には収蔵できるスペースもない」と、統合はできないと語りました。

 松山教授は、教師や司書、保護者に歴史と文化の視点で指導や援助ができる同館の教育力を強調しました。

 鶴見さんは、自身の体験から子どもの心の成長にとっての本の大切さをのべ、それをはぐくむ文学館の重要性を語りました。

 参加者からは「専門的な立場から助言や情報提供してもらえることが、子どもたちへの教育の質を保障している」(中学校教師)など、同館の存続を願う発言が続きました。


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