2008年5月10日(土)「しんぶん赤旗」
新保育制度の素案
社保審部会 直接契約検討盛る
厚生労働省は九日の社会保障審議会少子化対策特別部会に、新たな保育サービスなどの制度体系の設計に向けた「基本的考え方」の素案を示しました。
保育制度については「保護者とサービス提供者の契約など利用方式のあり方」を「利用者の多様なニーズに応じた選択を可能とする方向で…さらに検討していく必要がある」と明記。市町村が入所先に児童を割り振る現行制度から、利用者が保育所と直接契約を結ぶ方式への転換を検討することを打ち出しました。直接契約方式は、日本経団連などが導入を強く求めているものです。
一方で、保育サービスには「公的性格」があることなども指摘。「完全な市場メカニズムとは別個の考え方」とする「準市場メカニズム」を基本とする考えを盛り込みました。保育の必要度が高い子どもが入所できないなどの事態を防ぐため、市町村の関与や保護者への情報公表のあり方などをあわせて検討すべきだとも記述しています。
議論では、「サービスの量的拡大のもとで保育の質が低下しないよう、歯止めが必要」「目指すところは無制限な自由市場化ではない」などの発言が相次ぎました。
特別部会は今月中に「基本的考え方」をとりまとめたい考えです。次回は十九日に会合を開きます。

