2008年5月8日(木)「しんぶん赤旗」

08米大統領選

民主2氏 勝敗分ける

2州結果 指名決着持ち越し


 【ワシントン=西村央】米民主党大統領候補の指名争いを続けているオバマ、クリントンの両上院議員は六日、インディアナとノースカロライナ両州での予備選で勝敗を分けました。八月末の全国党大会に向けた獲得代議員数ではオバマ氏が上回っているものの、指名獲得の決着は持ち越されました。

 この日の予備選で、経済格差是正を前面に掲げて「変革」を訴えるオバマ氏はノースカロライナ州で幅広く支持を集め、得票率56%を獲得し、クリントン氏の42%に大差をつけて勝利しました。製造業の衰退が続くインディアナ州ではクリントン氏が雇用対策を中心に訴え、得票率51%でオバマ氏の49%をわずかに上回りました。

 米CNNテレビによると、前日五日までの獲得代議員数はオバマ氏の千七百四十五に対し、クリントン氏は千六百二で、その差は百四十三でした。ノースカロライナ州とインディアナ州の代議員数はそれぞれ百十五と七十二で、これをこの日の得票率で配分すると、前日までの差が若干広がることになります。全国党大会の代議員過半数は二千二十五です。指名をめぐる争いの決着は残る六州・自治領での予備選と、上下両院議員など幹部党員から選ばれる特別代議員のなかでの態度未表明者からの支持獲得いかんとなります。

解説

決定のカギは「特別代議員」

 民主党の大統領候補指名争いは、当初の予想を大きく上回る長期戦が続いています。六月三日で予備選・党員集会が終了しますが、オバマ、クリントン両候補とも指名に必要な代議員過半数の二千二十五人に届かない見通し。指名争いの行方を決めることになる「特別代議員」の動向が選出のカギとなります。

 八月末の全国党大会で投票権を持つのは、予備選・党員集会で選出された一般代議員と特別代議員です。連邦議員、知事、民主党の役員らで構成される特別代議員は七百九十五人です。

 CNNテレビの集計によると六日現在、特別代議員のうちクリントン支持を表明したのは二百六十六人、オバマ氏支持は二百五十二人です。態度表明していない特別代議員は二百七十七人となっています。

 二月五日の「スーパーチューズデー」後、オバマ氏が着実に支持者を増やしてきました。一方、四月二十二日のペンシルベニア州での予備選挙で勝利したクリントン氏は「潮目が変わった」と自らを押し出し、十一月の本選挙で共和党のマケイン候補に勝てるのは自分だけだと特別代議員にアピールを強めています。(ワシントン=鎌塚由美)


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