2008年5月8日(木)「しんぶん赤旗」
ミャンマーサイクロン
死者2万2千人
【ハノイ=井上歩】ミャンマー国営テレビは六日夜、同国中・南部を直撃した大型サイクロンによる死者が二万二千四百六十四人に上り、四万一千五十四人が行方不明になっていると報じました。犠牲者はさらに増える見通しで、ミャンマーで過去最悪、アジアでは二〇〇四年のスマトラ沖地震・津波以来の大規模自然災害となりました。
犠牲者のほとんどは南西部エヤワディ(イラワジ)管区の住民。軍事政権は六日の記者会見で、「多くの人が三・五メートルの高波によって死亡した」と説明。同管区ボガレイの町では、95%の家屋が破壊され、一万人以上が死亡、十数万人が家を失ったといいます。
被害が集中したイラワジ川のデルタ地帯には六百万人以上が居住、五千平方キロメートルが水没し、約百万人が家を失ったといいます。
軍政は国際社会の支援の受け入れを表明。しかしエヤワディ管区で洪水がおさまらず、道路も各所で遮断され、救援活動は困難をきわめています。国連の援助関係者からは軍政が入国ビザを迅速に発給しないことへの批判が出ています。
軍事政権は同日、新憲法案の賛否を問う国民投票について、二十四日に延期するヤンゴン、エヤワディ両管区内の被災地を除き予定通りの十日実施を発表。野党の国民民主連盟(NLD)は、投票強行を批判しています。
サイクロン 北インド洋に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が毎秒約十七メートル以上になったものを指します。一方、太平洋を東西に分ける一八〇度経線より西の北西太平洋、南シナ海に存在するものは、台風と呼びます。ハリケーンは、北大西洋、カリブ海、メキシコ湾、一八〇度経線より東の北東太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が約三十三メートル以上になったものを指します。

