2008年5月8日(木)「しんぶん赤旗」
「戦略的互恵」を推進
日中両国首脳が共同声明
福田康夫首相と中国の胡錦濤国家主席の会談が七日、首相官邸で行われ、両首脳は日中両国が「歴史を直視」し、「戦略的互恵関係」を包括的に推進するとした共同声明を発表しました。中国国家主席の来日は、一九九八年十一月の江沢民氏以来、約十年ぶり。
今回の共同声明は、七二年九月の日中共同声明、七八年八月の日中平和友好条約、九八年十一月の日中共同宣言に続く両国間の「第四の政治文書」と位置づけられます。両国がアジア太平洋地域と世界の平和と発展に「厳粛な責任」を負っていることを確認。長期にわたる平和・友好協力が両国にとって「唯一の選択」だとの認識で一致したと述べています。
具体的には、(1)首脳相互訪問の定期化など政治的相互信頼の増進(2)人的交流と国民の友好感情の増進(3)互恵協力の強化(4)アジア太平洋への貢献(5)世界的課題への貢献―の各分野で協力を進めるとしています。
会談後の共同記者会見で福田首相は、中国が四日にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世側との話し合いを行ったことを「本格的対話に向けた第一歩」と評価。胡主席はダライ・ラマ側が暴力扇動の停止など「次のステップの話し合いの条件をつくりあげることを望む」と述べました。
東シナ海ガス田共同開発問題について福田首相は「長年の懸案に解決のめどが立った」と表明。胡主席も「突っ込んだ協議で重要な進展を遂げた」と語りました。

