2008年5月8日(木)「しんぶん赤旗」
築地市場の移転予定地
ベンゼン4万倍
環境基準超す
東京都再調査
東京都が築地市場(中央区)の移転予定地としている江東区豊洲の東京ガス工場跡地の土壌から、環境基準の四万三千倍のベンゼンが検出されたことが、七日までに分かりました。
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これは、昨年夏の都の調査で環境基準一千倍のベンゼンが検出されたのを受け、予定地内四千百八十一カ所で行っている再調査で検出されたもの。再調査では、地下水からも環境基準の一万倍のベンゼンが見つかりました。都は再調査結果の詳細を十九日に開く専門家会議で公表する予定。
築地市場の豊洲移転に対しては、市場仲卸業者や広範な都民から「食の安全が大問題となっているのに、生鮮食料品を扱う市場を、汚染された豊洲に移転するのはおかしい」と反対の声があがっていますが、都は都民の批判を無視して移転準備を強行してきました。
昨年の調査結果を受け、新市場の開業時期を当初予定していた二〇一二年から一年間延期しましたが、新たに環境基準の四万三千倍ものベンゼンが検出されたことで、豊洲移転自体の見直しを迫られることは避けられません。
ベンゼン 常温では無色透明の液体。揮発性、引火性が高く、かつての都市ガス製造時に生成しました。工業用の有機溶剤に使われていましたが、発がん性が指摘されたことから、現在では使用が避けられています。


