2008年4月29日(火)「しんぶん赤旗」

食の異変

コメ輸出大国でも急騰

2日間で価格2倍

ベトナム 首相「原因は投機」


 【ハノイ=井上歩】世界二位のコメ輸出国、ベトナムのホーチミン市で二十七日までの二日間に、コメの小売価格が二倍に上昇し、消費者がスーパーなどに殺到する事態となりました。政府はコメ高騰騒ぎは投機によるものだと訴えて沈静化をはかっています。


 南部の最大都市ホーチミン市では、二十六日に一部小売店が小幅な値上げをしたのをきっかけに多くの市民がコメのまとめ買いをはじめ、価格が急騰。二十五日までは日本円にして一キロ約四十六―九十九円だったコメの小売価格が、二十七日に一キロ約百十二―百六十四円と平均約二倍に跳ね上がりました。値上がりは南部各地とハノイなど都市部でも起きています。

 ホーチミン市のレ・ホアン・クアン人民委員会主席は二十七日の政府の会合で「供給量は減っていないのに、国際的にコメが不足しているとの情報に市民が不安になっている。政府に(正しい情報を)宣伝してほしい」と要望。グエン・タン・ズン首相は冬春期が収穫九百万トン以上の豊作だったとし、「コメは余っている。ベトナムのコメの価格は各国よりも安く、価格上昇は間違いなく投機によるものだ」と強調しました。

 首相は同日、コメの買い占めや投機を厳禁するとの通達も出しました。

 ベトナムはインフレ対策と国内供給の確保を理由に、コメの新規輸出契約を六月末まで停止。ただ、輸出量は昨年並みの三百五十万―四百万トンを予定しています。


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