2008年4月26日(土)「しんぶん赤旗」
シリア核 米が声明
「北朝鮮協力は昨年9月まで」
「6カ国」で解決強調
【ワシントン=鎌塚由美】米政府は二十四日、北朝鮮がシリアの核開発に協力したとされる問題について、上下両院の一部議員に対し非公開で説明しました。
ホワイトハウスのペリノ報道官は同日、声明を発表し、両国の核協力は昨年九月までだったと指摘。引き続き六カ国協議で北朝鮮の核問題を解決するために努力し、「北朝鮮がこれ以上、拡散活動に関与しないよう保証を得る方針」だと語りました。
声明は、昨年九月六日にイスラエルが空爆して破壊したシリア東部の施設は「北朝鮮が支援した原子炉」であり、「プルトニウムが生産可能」なものだと指摘。「平和目的を意図していなかったと信じるに足る十分な理由がある」と述べ、核兵器開発が目的だったとの認識を示しました。
声明は、これらの情報をすでに国際原子力機関(IAEA)に提供したと表明しました。
声明は「北朝鮮とシリアとの秘密の核協力は、核計画と核拡散の危険な表れ」だと指摘。拡散活動やその他の核活動が中止されたことを確認するため、「厳格な検証の仕組み」を確立する方針を明らかにしました。
解説
議会説得へ動く
米政府高官は二十四日、北朝鮮によるシリアの核計画への協力について声明を発表した背景について、「六カ国協議での北朝鮮との交渉で、北朝鮮が拡散活動関与を認めることを促すだけでなく、プルトニウムやウラン濃縮についても正確な申告を促すことに役立つと考えた」と述べました。
六カ国協議は、「行動対行動」が原則。北朝鮮の「申告」の検証が始まれば、米国は「テロ支援国指定解除」に踏み切ることになっています。そのために、米政府は米議会の同意を得なければならず、シリアへの核協力についても議会に説明する必要がありました。
北朝鮮はこの間、六カ国協議で合意した「初期段階の措置(昨年二月)」、「第二段階の措置(昨年十月)」に基づき、寧辺の黒鉛減速炉などを封印。国際原子力機関(IAEA)の監視のもとで、核施設の「無能力化」作業を進めてきました。
「第二段階」から次のステップへの最後の関門となったのが、北朝鮮の「核計画の完全かつ正確な申告」と米国の「テロ支援国指定解除」の問題です。
北朝鮮は昨年十月の六カ国協議で、「核物質、技術及びノウハウを移転しない」と約束。合意文にも明記されましたが、北朝鮮が「申告」する段階で問題になりました。米国は、北朝鮮による他国への核支援、核拡散の疑惑を指摘。北朝鮮は一貫して否定し、意見の対立が続いていました。
事態の打開に向けた八日のシンガポールでの米朝協議で、双方はシリアへの拡散疑惑については申告とは別に非公開の文書とし、北朝鮮が米国の懸念を「認める」との表現を盛り込むことで暫定合意に達したと報じられています。(中村圭吾)

