2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

新兵不足の米軍

暴行・レイプ・薬物使用…

犯罪者を免責 採用急増


 【ワシントン=鎌塚由美】新兵確保に苦慮する米軍が、強盗やレイプといった犯罪歴のある人物を免責して入隊を認め、その数が増えていることが分かりました。二〇〇六会計年度(〇五年十月―〇六年九月)と〇七会計年度に陸軍と海兵隊に入隊した元「犯罪者」の数はそれぞれ、四百五十七人と八百六十一人でほぼ倍増となっています。

 これは米下院監視・政府改革委員会のワクスマン委員長(民主)が国防総省に開示を求めていたもの。同氏が二十一日に明らかにしました。

 それによると、陸軍による免責は〇六会計年度の二百四十九件から、〇七会計年度は五百十一件に倍加。海兵隊では二百八件から三百五十件に増えました。

 免責された犯罪のなかには「加重暴行」や「窃盗」、さらには「レイプ」や「テロの脅迫」が含まれています。両軍あわせて「加重暴行や凶器による暴行」という凶悪犯罪で免責されたのは八十七人。「窃盗」では、二百四十八人でした。また、マリフアナを含まない「麻薬・常習性をもたらす薬物の保持または使用」で有罪となった数は百三十人に上りました。

 ワクスマン氏は同日、新兵確保を担当するチュー国防次官あてに書簡を送付。「少人数」だとしながらも「レイプ、性的虐待」などの性犯罪から「爆弾脅迫を含むテロの脅迫」という犯罪でも免責し、入隊させていることに厳しい目をむけ、同省に〇七―〇八年の数字など、いっそうの情報開示を求めました。



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