2008年4月17日(木)「しんぶん赤旗」

教員削減 反対です

高校生と教師・父母

仏、4万人デモ


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(写真)教員削減に反対の声を上げる高校生=15日、パリ(山田芳進撮影)

 【パリ=山田芳進】フランス政府が今年九月の新年度から予定している教員削減計画に反対する動きが強まっています。パリで十五日、この三週間で六度目となるデモが行われ、高校生、教師、父母がこれまで最高の四万人(主催者発表。警察発表二万人)参加しました。

 政府は来年度、教員一万千二百人(うち八千八百三十人が中学・高校)を削減する計画です。ダルコス教育相は生徒数の減少を教員削減の理由とし、デモ開始直前のテレビで「生徒数の変化に応じて教員を配置するので、影響はない」と述べました。

 全国高校生連合のルクルト代表は「高校生は自分たちの将来を豊かなものにする権利に敏感だ。運動はこれからますます大きくなる」と強調します。

 パリ市内の高校で数学を教えるジャンポールさん(58)は「昔は五十人クラスが当たり前だったが、今の生徒に勉強の動機付けを与えるのは大変だ。二十五人程度のクラスで授業を聴いているのは七、八人。教育改革では、生徒に接する時間がなるべく多くなるような仕組みにするべきだ」と語りました。

 パリ郊外のシャンピニー(バルドマルヌ県)のアンヌさん(17)、ニコラ君(16)、ポール君(15)の高校では、文学コース(基礎コースの一つ)と選択科目が削減される予定。アンヌさんは「英語教師になるつもりだが、ポストにつけなくなる可能性もある」といいます。

 ポール君は「クラスが減って生徒がこれ以上増えたら、きちんと勉強できなくなる」。ニコラ君は「音楽、美術、ロシア語などの選択科目がなくなるという。政府は、郊外の若者に勉強よりも職業訓練を促している気がする。いろいろな勉強をする機会を残してほしい」といいます。

 生徒や教職員組合は、春のバカンス明けの五月十五日と二十四日に全国規模のデモを予定。高校生独立民主連盟のニコレ代表は「政府側を譲歩させるだけの力関係を築き上げるだろう」と強調します。


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