2008年4月17日(木)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療

「110番」に相談殺到

札幌 「年金みて、がくぜん」


 北海道社保協と札幌社保協は十六日、札幌市で「後期高齢者医療制度一一〇番」を開設しました。

 「昨日、年金をおろしてがくぜんとした」「保険証が届かない」。電話は開始予定一時間前の午前九時から、三台の専用回線が鳴り続け、社保協役員や民医連職員らが対応に追われました。テレビ各社のカメラが取り囲み、昼のニュースで報じられると、さらに相談が殺到しました。

 札幌市東区の女性。夫婦とも七十五歳以上なのに「自分の保険証は届いたが、夫が届かない」と相談。前日に年金から天引きされた保険料を見て驚いたといいます。

 相談員は「区役所に問い合わせてください。なければ再発行できます」と丁寧に説明しました。

 札幌市内の医療機関は七十五歳以上の利用者の手続きが分からないと問い合わせてきました。

 八十五歳の男性=札幌市中央区=は、「一一〇番」を行政がしているものと勘違いし、「こんなひどいことをして、あなた、どういうつもりなのか」とまくしたてました。しかし、相談員が、「私たちは、みなさんの声を聞いて、行政に制度の廃止・撤回を求めているんです」と話すと、男性は「本当に困っているんだ。今回の保険料や介護保険料を年金からどんどん天引きされ、一番多い時より十万円も減らされている」と切々と訴えました。

 次々に相談に応じた勤医協札幌西区病院の田村優実さん(26)=社会福祉士=は「少ない年金から保険料を天引きにして、弱者に追い打ちをかける医療差別は許せません」と話していました。

 旭川市でも開設し、札幌とあわせて八十九件の電話相談がありました。


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