2008年4月16日(水)「しんぶん赤旗」

どうして暮らせと

後期高齢者医療制度

泣きながら電話相談

福島


 後期高齢者医療制度による年金からの保険料天引がおこなわれた十五日、福島県社会保障推進協議会は、同制度の廃止を求める電話相談を実施しました。「自分と家族はどうなるのか」「(制度を決めた)自民党と公明党に抗議する」と不安と怒りの電話が殺到しました。

 福島市の夫妻は、「五十代の重度心身障害を持つ息子がいる。三人で国保(国民健康保険)に加入していたが、息子はどうなるのか」と質問。息子さんだけが国保に残ると話すと、「少ない年金から自分たちの保険料と息子の国保税を払うのか」と電話の向こうで深いため息をつきました。

 八十歳の女性は、「国民年金が四万円。介護保険料もとられ、病院代もままならない。どうやって暮らしていけばいいのか」と泣きながら相談を寄せました。

 南相馬市の女性は、「こんな制度をだれがつくったのか。腹が立ってしようがない。自民党と公明党に電話をする」と怒りを語りました。県社保協の佐藤和久事務局長は、「今日までに約百本の電話が寄せられた。制度に対する怒りがますます広がっている。私たちから『こんな制度ははやくやめさせましょう』と訴えるとみなさんが『そうだ』と力強く答える。撤回にむけてさらに頑張りたい」と話しています。


“厳しい生活分かる”

高松 市職員も困惑

 香川県高松市の国保・高齢者医療課には十五日、多くの市民が後期高齢者医療制度の相談に訪れ、職員は窓口や電話での応対に追われていました。窓口では、「これ以上年金から(保険料を)引かれたら困る」「私がかけてきた年金に勝手に手をつけないで」などの訴えが続きました。

 「決まった制度なので、私たちにもどうしようもないのです」「申し訳ないです。生活が厳しいのはわかりますが…」など、職員のとまどいの声も聞こえてきました。

 保険料の通知書を開いて見せた女性(83)は、二カ月分、五万六千円の年金から、介護保険料三千九百円に加えて後期高齢者保険料が二千三百円引かれていました。窓口で説明を受けた後、「戦後がんばって働いて、コツコツ年金のかけ金も税金も払ってきたのに、年寄りの年金から天引きするなんて情けない」と話していました。


怒り込め審査請求

石川の70人 保険料決定に不服

 後期高齢者医療制度の保険料が年金から天引きされた十五日、石川県の被保険者が保険料決定処分を不服として県後期高齢者医療審査会に対して、決定取り消しの裁決を求める審査請求書を提出しました。

 提出したのは浅藤由松さん(80)=加賀市=ら約七十人。代理人の寺越博之・県社会保障推進協議会事務局長と請求人が「高齢者は怒っています」「慎重に審査を」などと述べて、次々と請求書を提出しました。

 審査請求人が請求理由としているのは、(1)勝手に「後期高齢者」と呼んでほしくない。高齢者の尊厳を尊重しないことは憲法一三条(個人の尊重)に違反する(2)七十五歳という年齢で差別するのは憲法一四条(法の下の平等)に違反する(3)請求人の承認もなしに保険料を天引きするのはおかしい―など五点。口頭意見陳述の機会も求めています。

 日本共産党の尾西洋子県議、新後由紀子(加賀)、宮岸美苗(白山)、近藤啓子(能美)の各市議、北川悦子・内灘町議が代理人として参加しました。


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