2008年4月2日(水)「しんぶん赤旗」
連携強め貧困克服へ
メコン川流域 6カ国首脳が宣言
交通網・エネルギー・環境など9分野
【北京=山田俊英】メコン川流域六カ国による大メコン川流域(GMS)地域協力第三回首脳会議が三月三十一日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれ、二〇一二年までの協力を取り決めた首脳宣言を採択しました。交通、エネルギー、農業、環境など九つの分野で途上国同士が力を合わせ、貧困克服を目指します。
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参加したのは中国、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムとアジア開発銀行(ADB)。
宣言は、GMS発足以来十六年間、貧困人口を大幅に減らす成果をあげたと評価する一方、「病気のまん延、人身売買、麻薬密輸、環境汚染、気候変動などの脅威、挑戦に直面している」と指摘。(1)相互の交通、通信網の整備(2)民生改善、貧困の減少(3)伝染病、不法就労、環境破壊など国境を超える問題への対応―を今後の重点に据えました。
そのために一二年までの行動計画を決定し、域内を東西南北に結ぶ道路や電力供給市場の整備を確認しました。農業では再生可能エネルギーの活用や動物の疫病対策を推進、気候変動対策では森林保護を重視します。
メコン川は中国からベトナムまで六カ国を流れ、流域の人口は三億人以上。一九九二年、ADBの提唱で流域国の閣僚会議が始まり、〇二年から三年ごとに首脳会議が開かれています。今回は「連携の強化、競争力の向上」がテーマでした。
中国の温家宝首相は会議の発言で「最近、原油価格の高騰や米国のサブプライムローン問題、ドルの下落をはじめ国際政治、経済の不確定要素が増している」として、途上国自身が「リスクに対する抵抗力」をつける必要性を強調しました。


