2008年3月30日(日)「しんぶん赤旗」

戦闘部隊のイラク撤退

豪首相、米に伝える


 【ワシントン=鎌塚由美】オーストラリアのラッド首相は二十八日、ホワイトハウスで米国のブッシュ大統領と会談し、豪戦闘部隊のイラクからの撤退方針を正式に伝えました。両首脳の会談は昨年十二月のラッド首相の就任以来初めてです。


 両首脳は会談で、経済分野では、世界貿易機関(WTO)のドーハ・ラウンドの妥結を目指し協力することで合意。イラクとアフガニスタンでは引き続き協力を続けていくことで一致しました。

 会談後の記者会見で、ブッシュ大統領は、ラッド氏は「(イラク撤退の)選挙公約を守った」と述べ、豪軍の撤退方針を受け入れる姿勢を示しました。また、「首相が選挙公約を果たすことに怒っていないかと記者団はたずねるだろうが、答えはノーだ」と強がりを示しました。

 ラッド首相は、両国の同盟関係の維持を強調。イラクへは一億六千五百万ドル(約百六十五億円)の経済協力を行うと述べました。アフガニスタンへは派兵を続けることから、ルーマニアで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では「この紛争にどう取り組み、成功させるかの軍事、民生の両面で共通の脚本に参加諸国が署名しなくてはならない」と語り、会議出席に向けた意欲を語りました。

 オーストラリアのイラクからの撤退方針について、記者団からブッシュ大統領に質問が集中。「現時点で撤退することは退却だ、と昨日の演説で述べたが、豪軍の撤退をなぜ受け入れたのか」との質問に対しブッシュ氏は「撤退は退却だ」とは「厳密には言っていない」と弁解。増派部隊の引き揚げを例に「米軍も撤退を始めている」と苦しまぎれの回答を行いました。



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