2008年3月30日(日)「しんぶん赤旗」

今週の国会

「つなぎ」法案処理後に

道路特定財源で論戦へ


 ガソリン税の暫定税率が三月末で期限切れとなり、ガソリン代が四月から約二十五円値下がりすることが確実となりました。歳入・税制関連法案の年度内成立が不可能となったためです。

 この事態に対応するため、二十八日に衆参両院議長のよびかけにより、同法案のうち、道路特定財源関係以外で三月末で期限が切れる各税について、五月末まで期限を延長する措置をとることで与野党が合意しました。

 三十一日には、期限延長のための「つなぎ」法案が委員長提案として提出され、衆参両院本会議で採決される予定です。日本共産党は、国民生活の混乱回避を目的に「つなぎ」という形で処理することについては理解するものの、賛成できない項目があるため、採決ではその評価にたった賛否の態度をとります。

 その後の焦点となるのが、歳入・税制関連の政府案と民主党の「対案」の参院での審議です。衆院から送付後一カ月経過したにもかかわらず、参院では本会議で趣旨説明もふくめ一切、審議されていません。参院で主導権を握る民主党はこれまで、審議拒否の理由の一つに、政府案に関する「修正」協議がすすんでいないことを挙げており、今後もいつ審議入りするか見通しはたっていません。

 日本共産党は、徹底した審議によって法案の問題点を明らかにし、道路特定財源の一般財源化と暫定税率廃止の実現を求めてきました。今後も、一刻も早い審議入りのため奮闘するとともに、むだな道路をつくり続ける最大の根拠となっている「道路中期計画」の問題点などをめぐり、論戦により徹底して追及していきます。

暫定税率 道理ない再可決

 ガソリン代の値下がりが確実となったことで、今後の大きな焦点となるのが、政府・与党が歳入・税制関連法案を衆院で再可決し、これを元に戻すのかどうかという点です。

 福田康夫首相は、二十七日の新提案で、二〇〇九年度から道路特定財源の一般財源化を表明しました。二十八日の参院予算委員会の質疑で、日本共産党の小池晃議員が〇八年度からの一般財源化を求めたのにたいし、「暫定税率の根拠が失われる」として拒否。再可決による暫定税率復活を示唆しました。

 政府・与党による再可決の動きは、参院で否決した場合や憲法五九条の「六十日規定」が該当する場合を想定したものです。

 しかし、〇九年度からとはいえ、首相が道路特定財源の一般財源化をおこなうと表明した以上、特定財源の上乗せである暫定税率を維持する根拠はまったくなくなっています。しかも、一度下がったものを再び上げるということになれば、国民的な批判を呼ぶことは必至です。

 再可決が前提とされるのであれば、今後の参院での審議の意味もなくなってしまいます。

 日本共産党はここでも、再可決に反対し、論戦で徹底して問題点を明らかにするとともに、国民世論や運動との連携を強めていく構えです。


 「六十日規定」 憲法五九条は、参院が衆院で可決された法案を受け取ってから六十日以内に議決しないときには、衆院は参院がその法案を否決したとみなすことができるとしています。その場合、衆院が三分の二以上の多数で再可決することができます。



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