2008年3月24日(月)「しんぶん赤旗」

安心できる沖縄つくろう 県民大会

私たちは訴える


 二十三日、沖縄県北谷町内で開かれた米兵抗議県民集会で、各界・各層の代表者は「基地の島」・沖縄で繰り返される米兵による犯罪が二度と起きない抜本策を日米両政府に求め、力強く訴えました。


 「十四歳の少女に(暴行の)目的を持って声をかけるならば、その行為自体が犯罪だ。少女には何の落ち度もない」と満身の怒りを込め、開催地あいさつにたった野国昌春・北谷町長。二十―三十年前まで軍事基地だった会場も基地返還の跡地利用によりにぎやかになった一方、米軍人が一番多く住む町になったとし、「住民登録もせず、隣に誰が住んでいるかわからないようでは、町づくりもできない」と強調。不平等な日米地位協定の抜本的改正を求め、「これからも(米軍の)不正に対しては大きな声を小さな町からあげる」と表明しました。

 「女性の尊厳すら守れない日米安保とは何か。繰り返させる基地被害から市民をどう守ればよいか、自問しながら会場にきた」と切り出した東門美津子・沖縄市長

 事件のたびに再発防止策を求める一方、凶悪事件は後を絶たず「事件が起きてもなすすべを持たない日本政府に激しい怒りをおぼえ、国のありかたに疑問を抱く」と批判しました。

 「基地被害に何ら実効ある対応をみせないことが、国民主権、基本的人権、平和主義をかかげる国の姿か」と強い口調で指弾し、「基地あるがゆえの被害に苦しみ、人間としての尊厳さえも踏みにじられることに、いまこそ終止符を打とう」と力強く呼びかけると、降りしきる大雨を吹き飛ばすように「そうだ」の声と拍手に会場はわきました。

 翁長(おなが)雄志・那覇市長は「米兵による事件のたびに『綱紀粛正』という空虚な言葉が登場するが、それに納得する県民は今やだれ一人いない」とのべ、「沖縄県民の悲しみと怒りのマグマの強さを日本政府は知るべきだ」と厳しい口調で注文。沖縄が「日米安保体制のひずみを一身に担わざるを得ないことに満身の怒りと理不尽さを感じる」と怒りをぶちまけました。

 繰り返される事件の根本的な解決のために日米地位協定の見直しは当然としても、「これまでの(日米関係の)仕組みをご破算にし、最初から検討する決意で、具体的、実効的な再発防止策が必要だ」と強く求めました。

 小渡(おど)ハル子・沖縄県婦人連合会会長は「基地は諸悪の根源だ、基地の存在が悪の温床だといわれるが、まったくそのとおりです。我慢しないといけないのでしょうか。もう限界です。私たちの怒りは頂点に達しました」と激しく抗議。日米両政府、米軍に対し「いまこそ党派を超え、県民が一丸となって怒りの声をあげ、抗議すべきです。命を産みはぐくむ使命を持つ母親集団は、青少年が安全で健やかに育つことをひたすら願い、また県民が平和で明るくくらせるように、日米地位協定の抜本的見直し、一日も早い米軍基地の整理・縮小を日米両政府に求めましょう」。一言、一言、区切るように力を込めて訴えるたびに会場から「そうだー」の声が途切れませんでした。

 「人権の回復と、人権を保障する社会へがんばろう!」――。最後に玉寄哲永実行委員長のガンバロウ三唱に、傘を閉じた六千人の参加者は、雨のなかこぶしを天にふり上げました。



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